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第132話(sideアゼル)✽
それより聞いてくれよ。
エロ雑誌の体験談でみつけてから俺のやってみたかった事ランクトップファイブだった、シックスナインもやったんだ。
俺はホクホクしながらそう言って、ほう、と満たされた吐息を吐き出す。
「しかもよ、夜中までシテたらシャルが力尽きたかんな、無理させるのもよくねぇから終わらせたら、眠そうにしながら『お前の好きなタイプはどんなのだ?俺で大丈夫か?』って」
「へぇ。言ったんですか?ドスケベなお妃様におねだりされたいんですって」
「アホ言うかよっ!アイツはあのままで十分エロいしな」
「ほう。じゃあなんて答えたんです」
「!そっ、そ、そんな恥ずかしい事言えるかよ馬鹿野郎、聞くな!」
「ものの数秒前猥談してた魔王がなにをカマトトぶってるんですか。気になるんで吐いてください」
相変わらず無表情のゼオが俺の机から書類を抱えてローテーブルにドン、と置きながらズバッと急かす。
俺は頬を若干赤らめてツンと顔をそらした。
はっ、恥ずかしいだろ、アホか。部下になんで嫁への告白教えないといけねぇんだ。
ライゼンが「羞恥心の在り処が違う……」と遠い目をしていたが、昨日俺の暴挙を目撃して石化したので、それ以上何も言わなかった。ゼオと違って懸命な男だ。
話を誤魔化そうとサインをした報告書をガドに突き返すと、ガドはニヤリと笑ってマイペースに書類を受け取った。
「シャルに朝会ったから昨日どうだったか聞いたんだけど──〝好みも何も俺はお前にしか恋したことねぇから、見た目も中身もお前が好みって事だろ〟だったっけなァ?」
「!?」ゴッ
なっなんで言ったんだシャル!!
いつも取り敢えずガドに報告すんのはやめろ!!
耳まで赤くなって勢いで机に突っ伏して、額を強打した。傷がついたのは机の方だ。悪いな机、俺は魔王だぜ。
そんな浮かれた最高権力者の惚気を茶化すだけの、魔界軍男子会。
たまたま俺の執務室に集まった俺、ライゼン、ガド、ゼオが仕事をしながら面白おかしく囃したてる。
そしてそのメンツにプラス、今にも死にそうなチャラ男が一人。
「うんうん、ラブラブでよかったねぇ〜王の下半身が満たされて俺っちは超ハッピーさ。だから……これ外してくれません「ほざけ」」
グチャッ
氷で下半身を固められソファーに拘束されていたマルガンの頭が、冷たすぎる声のゼオによって裏拳一発で弾けとんだ。
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