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第10話
その言葉を合図に、小生は、朱音さんの棒を、小生の穴に挿します。
「っ、ぁあっ、はぁ、んっ、あああんっ」
早く。
早く、小生に。
「ちょぅらぁいっ! くらさぃ! あなたの……っ、あなたのっ!」
目の前は、ぼやけていて、わかりません。
が。
特に、それは関係ありません。
今の小生が求める、朱音さんの欲液さえ。
それさえ、小生のナカに入るなら。
注がれるのならば。
それ以外はどうでも良いです。
「ぇきっ! 白濁のぉ、欲液ぃ、ちょぅらぁあっ♡ ぁああぁんっ」
「っ、ぁ、はぁ」
朱音さんの気持ち良さそうな吐息が聞こえます。
ああ、きっと気持ち良いと思っているのですね。
ああ、それもドキドキします。
「早くっ! たくさん! 注いでぇっ」
まだ動きが足りませんか……?
なら、たくさん動きます。
小生が、無我夢中で動いていると。
朱音さんが「出るっ」と言い、小生のナカに欲液をたくさん注いでくれました。
だけど、小生にはまだ足りません。
もっと、もっと――
そう思うと。
そう、たくさん思うと。
小生の中にある、何かが切れました。
⊿
ハッと気がつくと、小生は欲液に塗れていました。
全身からは、朱音さんの香りがします。
この香り。
この匂い。
それが、また小生に、朱音さんを求めるように指示します。
――番なのだから、問題ないだろう?
そんな声が、どこかで聞こえます。
小生は、生唾を飲み込み、近くにいる朱音さんを見ます。
が。
近くには、いませんでした。
不思議に思い、家中を探しました。
玄関の方に行くと、朱音さんの靴がありませんでした。
もしかしたら、どこかに行ってしまったのかもしれません。
仕方がありません。
朱音さんが来るまで、待っていよう。
そう思い、部屋に行こうとすると。
外から声が聞こえました。
それは、朱音さんの声です。
『ああ、そう。明日ね』
何やら、誰かとの約束みたいです。
『大丈夫だって。うん。わかった。明日の十六時』
そう言うと、朱音さんは、電話を切りました。
そして、玄関の扉を開けました。
「あ、朱音……さん」
小生が言うと、朱音さんはいつも通りの声で「あのさ」と言います。
「明日、夜は帰ってこないから。同窓会ってやつ」
「わ、わかりました」
「……明日の分、今日ヤる?」
朱音さんの提案に、小生は頷きました。
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