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第3話

 学校へと入れられた白は友達も出来き、それなりに楽しくすごした。  ただ大人になれば皆黒の様になるのだと思っていたが違う様で、先生方も普通の姿をしていた。  白は気になって黒の事を調べだした。どうやら黒は魔族と呼ばれる種族の様だ。黒は自分達人間とは違う生き物なのだと初めて知った。  人間にも髪の色や肌の色、瞳の色が違ったりする。現に、白は周りの友達と少し違っていた為、生まれは別の国なのでは無いかと噂されていた。自分のルーツも気になるが、白は黒の方が気になった。   魔族には豚の様な見た目や、液体の様な物、花の様な物と色々な形が有るようで、植物系やら動物系、飛行系等にわかれている様だ。  中でも知能が有り、人間に近い容姿の魔物は力も強い様である。特に半分人間の血が入っている半獣等はその殆どは知能の低い獣の様になるが、稀に半端なく強い個体が出ると本には書かれていた。  そして色々なん魔物本を読み漁ってい内に、それを魔物討伐に興味が有るのだろうと先生方に解釈されてしまい、白はいつの間にか魔物討伐組への選抜クラスに推薦されていまっていた。  白は優秀で、運動能力も高く、誰もが魔物討伐組のエリートになると思う程であった。  その勉強の過程の中での歴史の授業の中での事だ、歴代の魔王討伐の話を知った。  一番新しい物は100年程前の話であり、その魔王の見た目は黒豹の半獣だと言われているが、魔王まで辿りいた者は居なく、いつの間にか魔王は居なくなっていたと言うのだ。  新しく魔王と呼ばれる魔族はまだ出ていない様で、魔族達が結束し、人間を襲ってくる恐れは無いが、魔族にとって人間は食事としか思われていないらしく、襲われる恐れは有る。それらから人々を守る為に魔物討伐組は存在しているのだ。  それにしても容姿が黒豹の半獣というのは気になった。  まさに黒の見た目そのものではないか。  しかし、黒は魔王等という恐ろしい物である筈が無い。  だって捨てられていた僕を拾って育ててくれた命の恩人なので有るから。そんなおそろしい魔物な訳が無かった。  授業では、『魔物は総じて人間を襲ってくる。絶対に境界を越えさせてはいけない』そう何度も教え込まれたが、中には優しい魔物も居るのだと白は知っていた。  黒が珍しいタイプの魔物なのかも知れないが……  歳月は過ぎ、白が十二歳になった頃である。  この世の中にはバース性と言うものが存在する事を知った。  α、β、Ω。  殆どの人間はβだ。αは優秀な人材が多く、Ωは男性でも妊娠出来るそうだ。  検査の結果、白はαの中でも優秀な遺伝子を持っている事が解った。  その頃には、白の優秀さを知らない者は居ないと言う程に校内でも名が知れ渡り、中等部の一年にして、生徒会長に選抜されそうになった程である。流石に一年で生徒会長等、とても引き受けられないと白は必死に断り流れたのだが、周りからはやっぱりと言う声ばかりだあった。  αには運命のΩが居る等と言う都市伝説まであり、Ωはこぞって自分が白の運命ではないかとソワソワしながら猛アタックである。  白にとっては、なかなかの地獄であった。  校内にピンとくるΩ等居ず、何度か発情したΩを見つけたが、あてられるどころか甲斐甲斐しく看病し、保健室まで運んであげたり等していたので、白の校内人気は鰻登りであった。  中等部の二年で生徒会長になった白にはファンサークル等も存在し、校内の女子は全員参加し、男子も半数以上は参加すると言う前代未聞の人気っぷりで、将来は討伐組のリーダーか、若しくはアイドルグループのリーダーであると噂される程であった。  結局、白は将来的にどちらにも成らなかったので、全員が落胆していたが、白はそんな事はどうでも良く、早く学校を卒業して、黒の元に帰るのがたった一つの夢だったのだ。 

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