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第13話 R18?
結局「今行っても殺されてしまうわ!」と、妃に止められ、飛行機を貸して貰う事は出来ず、取り敢えず、今日は泊まって行きなさいと言う妃に一晩泊まる事にした白。
真夜中に部屋をノックされ、扉を開ける。騎士の一人の様だ。
「どうしても行かれると言うなら飛行機の場所を教えます」
そう言って騎士は白を飛行機の場所まで案内した。
「目的地は魔王の城周辺にセットして有るので、飛び出せばそこまでは直ぐに着く筈です」
「有難う」
告げる騎士は多分、王の手先の者であろう。このまま無茶に魔王の元にやれば勝手に自滅してくれると思っているのなら残念だ。黒はそんな魔王ではない。
まぁ、黒の周りを固める配下はどうか知らない為、危険な事は間違いなだろう。
だが、白は無理を押しても直ぐに行きたかった。
勇者になろと王は既に魔王の城付近まで近付いているかも知れないのである。
白は飛行機に乗り込み、発進ボタンを押した。
「うわ! 凄い。直ぐって言うか……」
ほとんどワープである。流石、大国。技術違うと感心しつつ、小型飛行機出る。
と、行っても城の側まで来ている筈だが、城等見えない。
さて、ここからどう探すか……
そう考えていると、記憶に有る自分を誘惑する様な香りに気付いた。
これは……
白はその匂いを辿り、森を駆け出す。
途中、獣や魔物が襲って来たが、見向きもせずにバッタバッタとなぎ倒し、足を走らせるのであった。
ラオンに押さえつけられ、愛撫される黒は気持ち悪くて仕方が無かった。
Ωは発情期は誰の子供でもαの子供は産みたいと思うと聞かされていたが、コイツの子供を孕まさせられるなら死んだほうがマシである。
ラオンもαの筈だが、何故、白と全然違うんだ。
そんな絶望を覚えていた時である。
「城に侵入者です!! すごいスピードで此方に!! グハゥ!!」
急にドンドンとドアを叩かれたと思うと、うめき声が聞こえた。
「何事だ!」
ラオンはチッと舌打ちし、ドアの方を見る。
それと同時に蹴破られるドア。
「お前は!」
咄嗟にベッドを降りて反撃の構えを取るラオン。だがそれは間に合わず、攻撃をくらい「ガバッ!」と、声を上げて倒れた。
「ラオン!」
ラオンのうめき声に体を起こす黒。こんな事をされてもラオンは大事な幼馴染である。
ベッドから落ちるようにして何とか側へ寄って容態を確かめる。気絶してるだけだ。
「黒」
そう聞き慣れた声に、顔を上げた。
「白?」
そこには血塗れの白が立っていた。
いつもと顔つきが違う……
反射的に白から距離を取る黒。何故か恐怖を覚えた。
「何で逃げるの?」
そう哀しそうな顔で首を傾げる白。迎えに来ただけなのに。と、呟いた。
「ねぇ、そこのライオンと何してたの?」
「ねぇ、ライオンが好きなの?」
「ライオンとセックスは気持ちよかった?」
そう詰め寄る白に、後退りしてしまう黒。
もう壁際である。
「黒は僕のなのに……」
白は黒の頬を撫でる。
「でも、ここはまだ獣になってないね」
白は嬉しそうに囁くと、黒のお腹にキスをする。
怯える黒を抱き上げると、ベッドに沈めるのであった。
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