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*8.化学準備室③
それからというもの、奏太は毎日のように科学準備室を訪れた。他にも教員はいるが、昼休みは彼一人しかいない。それを利用して、昼休みのほとんどは科学準備室に入り浸った。無論、白坂に口淫をさせるためだ。
白坂は最初こそは狼狽し、嫌がったが、日を追うごとに従順になっていった。この男の順応性は高く、四日目には奏太を椅子に座らせ、自分は机の下に潜って陰茎を咥えた。万が一、誰かが入ってきても一目にはわからないようにするためだ。
自分が職員の椅子に座り、机の下から教師に口でされるというのは倒錯的で興奮した。それは白坂も同じようで正座したスラックスの中心が膨らんでいるのが見えた。
「しゃぶりながら勃ててんじゃねーよ」
奏太は笑って上履きのままその股間を踏みつけた。白坂の方がびくびくと跳ねる。
「んんんッ、うぅ……」
やめてくれと言わんばかりに首を横に振る。角度的に表情は見えないがきっと辛そうな顔をしているだろう。奏太の上着をすがるように掴んでくる。
しかし、靴の下にある彼の陰茎は萎えるどころかますます芯を持ってその存在を主張してきた。奏太は靴先でそれを突きながら声を上げて笑った。
「お前ってとんでもない変態だよな。それでよく教師やってるよ」
「んん……」
違う。
彼はそう言いたげに首を横に振る。それが気に食わず、奏太は両手で白坂の顔を挟むと顔を上げさせた。
口淫から解放された白坂がぼんやりした顔でこちらを見ている。虚ろのような目の奥にわずかに興奮の色が滲んでいた。
「なあ、シラマ。俺はちんこ踏まれて感じる変態ですって言ってみろよ」
白坂はハッと息を飲んだ。彼はわずか数秒の間に様々な表情を見せてくれた。
嫌悪、恐れ、怒り、思案、諦め、嫌悪、恐れ……。
やがて、白坂は目を閉じると頬を震わせ、涙を流しながら口を開いた。
「うっ……、俺……は、ちんこ、踏まれて……う……、感じる、へんた……ッ、変態ぃですぅ……ぐっ……うぅ……ッ」
白坂の中で何かが壊れた瞬間だった。
彼は嗚咽を漏らし、子供のように泣き出した。いくつもの涙の筋が頬を汚す。顔を離してやると、白坂は奏太の足に顔を埋めて泣き続けた。その髪を撫でるつもりで触れたが、彼はそれだけで怯えるように体を硬くした。そして取り憑かれるように、奏太の性器に手を伸ばして唇を寄せた。まだ涙は止まってない。それでも懸命に続けようとしている。
その口淫は快感には程遠かった。吸い付く力は弱いし、嗚咽で引きつった拍子に歯が当たった。しかし、奏太の陰茎は萎えなかった。
それどころかあっという間に達してしまった。
出す瞬間、奏太は彼の口内から引き抜くと顔に向かって吐き出した。白坂は驚いた様子だったが、避けようとはせず、吹き出した白濁を受け止めた。眉のあたりに向かって吐き出されたそれは重力とともに睫毛を覆い、涙と混じって頬を垂れた。
「……シラマ、お前、最高だよ」
白坂の耳元で笑い混じりに囁いた。
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