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*二丁目のホテル⑥

 ジェルでドロドロに溶けた手が中央にぶら下がる睾丸を包む。 「ふ……」  小さく息を吐いて背中が粟立つのがわかった。  いつもならしつこいぐらいに脇や胸を弄り倒してから下肢に触れるのだが、こちらの要望に応えてくれたのか、奏太にしては即物的だ。  濡れた指が開いた足の間を伝って、後孔に侵入してくる。  異物が入ってくる感触に息を詰まらせるが、一度受け入れてしまえばそれほどの抵抗はない。ジェルの滑りに手伝われて入口を探られる感覚に口が開きっぱなしになってしまう。 「ひっ……、あ……ぁ……ッ」  探るばかりで鈍い動きの指がじれったい。白坂は奏太のシャツを両手で掴み、自分のいいところを触って欲しいと腰が揺らした。  早く快感が欲しくて堪らなかった。なのに、奏太の指は白坂の思惑の場所を逃げるように動き回る。  膨れ上がった期待に押しつぶされそうで、白坂は責めるように奏太を睨んだ。 「そんなに欲しいの?」 「う……、うぅ……ぅ……」 「ココでしょ?」  求めていた場所を指で押しつぶされると、蕩けるような快感が全身を駆け巡り、目の前が真っ白になった。 「あぁーー……!」  彼のTシャツを掴んだまま仰け反った。強烈な愉悦の波が引かぬ間に、強弱をつけながら何度も指で突かれ、白坂は我慢できずに首を左右に振った。 「あっ、あっ、あ……ッ、待って……あぁ……」 「イキそう?」  囁かれた言葉に涙を浮かべながら、何度も頷いた。触れられていない白坂の陰茎は固く張り詰めている。彼の体をまたがっているのに、足に力が入らず逃げられない。  奏太は意地悪な笑みを浮かべた。 「シラマ、だんだん早くなってるね」 「う……っ」  指を引き抜かれて安堵したのは一瞬で、次の瞬間には物足りない劣情が身体中を駆け巡る。掴んでいた手が奏太のベルトへと誘導される。 「勃たせて挿れてみて」  熱に浮かされたまま、余裕のない手つきで彼のベルトを緩めると下着ごとボトムを下ろした。  まだ柔らかい性器を白坂は腹を空かせた犬のように、はしたなくしゃぶりついた。頭上から鼻で笑うような声が聞こえた。しかし、そんなことはどうでもいい。  早く欲しい。早く快感に溺れたい。 「……ッ」  唾液の音が妙に大きく響いて聞こえる。慣れた口淫で陰茎に吸い付くと徐々に奏太の呼吸が速くなっていくのがわかった。  咥えたまま奏太を見上げると、口内の彼自身がぴくんと跳ねて膨らんだ。頃合いを見計らって舌を出して唾液を落としながら、口を離す。  唾液に濡れてそそり立つ彼の陰茎はひどく扇情的だ。

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