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5カラット~変化の音~

ルークが去った後 森で小さい者たちが噂していた 「綺麗な声だった!」 「良い歌・・」 「また聞きたいわ」 「明日も来るかな?」 「今日は近くで見たけど綺麗な子供だった」 「可愛かったね思わず話しかけそうになっちゃった」 「ええ・・美しい子でした・・でも・・人間の子に見えましたが・・・人間はこの森には入れないはずですよね」 小さい者たちが話していると 大きな獣がやってきて小さい者達に言った 「人間がこの森に入ったのか!?どうやって入った!?何故直ぐに知らせなかったのだ!此処は聖域だぞ!薄汚い人間なんぞに汚されてたまるか!」 「!?もっ・・!申し訳ありません主様!けれど害のある者には見えませんでしたので・・」 小さいものはオドオドしながら答えた 「そんなものは此処の主である私が決める事だ!!言え!!その子供はどこにいる!」 「っえ・・っと!」 「湖です!!」 「女神様の湖です!」 「しかし!今日はもう帰ったようです」 「毎日湖に来ておるのか!」 「はい・・」 脅えながらも小さいもの達は答えた 今夜も、いつものように森に入ると  何だか嫌な感じがした  湖まで来ると嫌な感じが増したが  暫く筋トレしてても何も起こらない・・ だが俺を見てる感じがする・・ しかも、今日はいつもより沢山の気配を感じるので 筋トレを少しした後は発声練習や歌う事だけにした 何かあっても対処出来るだけの体力を残しておく為・・そう今日は何かがあるような気がした  俺はその何かを待つことにした  何かあった時、今の俺の力がどこまで通用するのか 不安と期待の中待ち続けた… 3曲ほど歌った所で喉が渇いて 持ってきた水がもう無くなってしまったので湖に近づく 「んー・・飲みたいけど・・飲めんのか?この水?お湯か?」 『ちゃぷ』と湖に手を入れると  やはり冷たくなったり、暖かくなったりと温度がランダムだ 飲んだらヤバイかなー?と悩んでいたら 殺気のような気配を感じて 湖から手を抜いて辺りを見渡した 「ほう・・人間の子供にしては感がいいようだな、いや子供だからこそか?」 嫌な感じの物の正体が姿を現した 「やっときやがったか・・」 おせぇーんだよノロマ!

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