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12カラット~傲慢の音~
「ほれ・・もう居なくなったぞ出て来い」
恐る恐る回りを警戒しながら
ライオンの両前足の間からソッと顔を出したが、
俺はまた前足の後ろへと隠れた
「こら!なにを・・」
「まだ居るじゃねーか!」
「何?」
そこにはまだ金色の妖精が一匹だけ残っていた
「お前!私の言うことが聞こえなかったのか!」
「だって!僕は【金色】だよ!こんなにも美しいのに、怖がるなんて信じられない!この子は他の色の妖精をみて怖がったんだよ!ねぇ!ちゃんと僕を見てよ綺麗でしょ?妖精の中で一番美しいんだよ!触ってみたいでしょ?」
俺にだんだん近づいてくる金色の妖精に向かって
とっさに何故か両手に持っていた殺虫剤と虫除けスプレーをダブルでかけ、
俺は女性の居る湖へ逃げていった
「何コレ!?目がいたーい!」
金色の妖精は目に涙を浮かべながら咳き込んでいた
「お前・・そんなのどこから・・家から持ってきたのか?」
「いや・・何か気が付いたら両手に持ってた?なんでだろう・・」
「持っていた?・・おまえ・・まさか・・」
「ええ・・ルークはもしかしたら・・」
「なんで!なんで!!そんなに嫌がるの!」
ライオンと女性が話し始めようとしたが
金の妖精が喚き出した為、続きを聞くことが出来なかった。
「コイツみたいに穢れた色ならわかるけど!どうして僕みたいな美しい妖精を怖がるの!」
金の妖精は糸にグルグル巻きにされた
黒い色の羽と髪と瞳を持った妖精を引きずって来た
「まあ!貴方また黒の者をいじめたのですね!あれ程お止めなさいと言ったのに・・」
「コイツのせいで何人もの妖精が怪我してるんだよ!黒なんてこの森から追い出してよ!」
「黒い色の者は他の者と違って力の制御がとても難しいだけで・・決してワザと怪我をさせたのではありませんよ」
「だけど!・・」
「それよりもお前、この森の主である私の言葉を何度も無視するようならば・・お前がこの森から出て行け!それが嫌なら今すぐ去れ!」
ライオンに言われ金色の妖精は悔しそうに顔を歪めて去っていった。
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