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17カラット~妖精の音~

その日の夜森へ着くと・・ 金色の妖精が黒の妖精アゲハをまた苛めていたので、 俺は風の魔法で金の妖精を吹き飛ばした 「お前・・たまには反撃した方がいいぞ・・いつも傷だらけじゃねーか・・その内マジで死ぬぞ」 そう言って俺は傷を治してやった・・ こいつは俺が来ると必ず俺の為にわざわざ羽を消してくれるイイ奴なのに、 色が黒と言うだけで周りの妖精からハブられてるらしい・・ 「いいんです・・俺は、この森に住まわせてもらっているだけで感謝してるので・・」 「ルーク!ルーク!そんな奴ほっといて早く歌ってよー」と懲りずに金の妖精が俺に向かって飛んで来たので、 手からバットを出し[カキーン!]と打って遠くへ飛ばした 「相変わらずアイツもウルセー奴だな・・お!ずいぶん飛んだなー・・ホームランだなこりゃ・・いや~・・実況席のリオンさん、今の当たりはいかがでしたか?(こん)シーズンのルーク選手は期待出来そうですよ」 「毎回下らぬ事に【無属性】の力を使うでない!馬鹿者が!どれだけ貴重な力かわかっておるのか?お前は!?」 「うっわー・・ノリわりぃ上にコイツもウルセーよ・・・・なあ、アゲハお前・・俺と来るか?一緒に城で暮らさねぇ?」 「え?」 「此処に居たらお前本当に身も心もボロボロになっちまいそうで、心配なんだよ・・此処の森の主とやらは当てになんねーみてぇだしな!誰とはイ・イ・マ・セ・ン・ガ。」 「喧嘩売っとるのか!お前は!私も色々忙しいのだ!毎回毎回其処までは目が届かんのだ!」 「あの・・俺はご迷惑でなければ・・ルークと一緒にいたいです・・でも本当にいいんですか俺なんかと一緒で・・?」 「ああ!お前姿消せるから見つかる心配ないしな!わかんない事あったらすぐ聞けるし、俺もお前が居れば心強い!来てくれたら俺は助かるぜ」 「では、これからお世話になります!宜しくお願いしますルーク」 アゲハは嬉しそうに俺の周りを飛んでいた・・ アゲハの消える能力は、見えなくなるだけで実体はそこにあるらしい・・ なので羽は見えてないが、実際はその羽でヒラヒラと飛んでいる。 リオンの方も能力があるらしく・・ 以前戦いの最中に石やら木やらを投げたら、リオンの体を通り抜けた・・ リオンの能力は姿は見えているが、物質を通り抜ける事が出来るようで アゲハとは逆のタイプの能力だ。 「それと、俺暫く森には来ないからリオンは明日から迎えに来なくていいぞ」 「!な・・」「何故です!!ルーク!!?」 リオンが話そうとしてたが・・サラスに台詞をとられていた。 「あれ?サラス何時(いつ)からいたんだ?」 「初めから居りましたわ!それよりどうしてです!?貴方の歌を毎日楽しみにしていましたのに・・もう来ないなんて・・」 「いや・・;来ないとは言ってないだろ・・これから夜は街へ降りて俺の歌が人間に受けるか確かめたいのと・・ちゃんと金が取れるレベルになってたら家を出た時の為に、今から出来るだけ稼いでおきたいんだ」 「だからって!・・危険です!子供が夜街へ一人で行くなんて!」 「一人じゃねーよ、アゲハがいる」 「ルーク・・!俺!必ずルークを守ってみせます!」 「って・・事だから大丈夫だろ・・」と俺が言うと アゲハがサラスに「安心してください」と一生懸命説得してくれていた。 サラスもリオンもブツブツごねていたが、 最終的には、サラスが「何かあったら必ず呼んでください」と言うところで話はまとまった。

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