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19カラット~金竜の音~

「う゛んっ!んっんー・・あー・・あー・・えー・・では、これより召喚魔法でリオンさんを呼び出したいと思います。」 「ルークどうしたんです?そんな改まって」 首をかしげてアゲハが不思議そうに此方を見ていた。 俺は竜探しをする為、夜リオンを城に呼び出そうとしていた 「いや、召喚魔法なんて初めてだから・・俺とした事がチョット緊張してしまってな・・やっぱり決め台詞みたいなのあった方が盛り上がるかなー?と・・『いでよ!金色(こんじき)の獅子リオン!』・・いや・・なんか普通だな・・『黄金(おうごん)の輝きを纏いし獣の王よ!「あの・・」今こそ我の呼びかけに応え我に力を!「ルーク・・」金色(こんじき)の獅子リオン召喚!』ん~・・召喚・・ってのがな・・近所の子供が遊んでたゲームみたいだな・・もうチョットなんか・・」 「ルーク!!」 「だぁー!!何だよアゲハさっきっから、うるせぇな!今色々考えて・・」 「ルーク!もうリオン様来てますよ!」 「なっ!?うっそ!マジで!?」 アゲハに言われ俺が部屋を見回すと、リオンは俺のベットで寛いでいた 「おまっ!何時から居たんだ!まだ召喚魔法の台詞が決まってないのに来るんじゃねェよ!今すぐ帰れ!!まだ呼んでねェぞ!」 「無茶苦茶だなお前・・お前が魔力を込めて私の名を呼んだから来たまでだ・・何か一生懸命考え事をしておったようだから待っててやったんではないか、それをお前・・」 「チッ!ちょっと力入り過ぎて魔力が出ちまってたか・・あ!コラ!土足でベットに上がるんじゃねぇ!汚れるだろうが!ちゃんと足を拭け!」 「私の足はきれいだぞ、ほれ汚れてはおらんだろう?心配なら見てみるか?」 リオンが前足をプラプラ俺の方へ振って見せてきたので、 その足を手にとって肉球が汚れてないか確認した。 「むっ!これは!?・・リオンさん!アナタ・・中々良い肉球をお持ちですな・・このプニプニ感は、とてもいい肉の証!そうか!わかったぞ!リオンは最高級の肉だったのか!・・あ痛っ!」 言い終わったと同時にリオンが、俺が掴んでる方とは反対側の前足で叩いてきた 「え?なんで(はた)いた?褒めたのに」 「ほう・・腹を鳴らしながらか?・・何故だか・・身の危険を感じたのだ・・」 「Oh!気ノセイデスヨ・・それより竜探し!とっとと行こうぜ」 最近肉食ってなかったからな・・うっかり腹が鳴っちまった 「・・・お前が遊んでる間に気配を探ったが・・この城には地下があるか?この城の遥か下の方に微弱だがそれらしい気配が・・それにしても、この城にはどれだけ獣の奴隷がおるのだ?精霊の気配もする・・恐ろしい城だ・・」 「そうなのか?俺見たことねーな・・地下も、あるのかすら分かんねェ・・普段この部屋からあまり出ないし・・夜中に何回か探索した事はあるけど、それらしい場所はなかったな・・さて、どうしたものか・・」 俺が悩んでいるとアゲハがスッと俺の目の前まで飛んできた 「ルーク!今日の昼間この城を見て回ったんですが・・地下はありましたよ、でも本とか宝石が置いてあっただけで竜は居ませんでした・・」 「そうか・・居なかったか・・って!ちょ!お前!一人で行ったら危ねーだろ!竜に食われたらどうすんだ!このバカタレ!ていっ!」 俺はそう言ってアゲハの頬を軽く指で叩いた 「あうっ!?ゴメンなさい・・でも何かお役に立ちたくて」 「ルーク、いいではないか許してやれ アゲハはお前の為に・・」 「わかってる!!リオン!お前もこれだけは覚えておけよ、俺の為だとか何とかぬかして危険な真似しやがったらゼッテーに許さねぇ!もしその約束が出来ないようなら二度と俺には関わるな!サラスにも、ちゃんと言っとけよ!いいな!・・・でも今回はアゲハのおかけで地下の場所がわかった・・有り難う探してくれて、だが!次は許さん!」 そう言いながら、俺は叩いてしまったアゲハの頬を撫でた 「ルークすみませんでした・・もう一人で危険な場所には行きません、約束します」 「よし!じゃあ行くぞ!」 アゲハの案内で俺達は地下にある部屋へと入った 「なんだ、アゲハの言う通り古臭い本と宝石しかないな・・」 「ルーク此処から風が来ておる・・少し離れておれ」 リオンは床を叩いて確認した後、4本の尻尾の先端を槍の様に変化させ 大きな石畳隙間に入れて持ち上げた。 退かした大きな石畳の下には石で出来た階段が下へと続いていた 「サンキューリオン、んじゃ行きますか!・・あ、そうだ!アゲハは危ないから此処で待ってろ」 俺とリオンは長い階段を下り大きな扉の前まで辿り着いた 「随分下まで来ちまったな、さて・・この扉鍵穴があるって事は・・鍵がなきゃ開けられないって事だな」 「ルークこの鍵を使って下さい」 「お!悪いな!助かるぜ!」 俺は鍵を受け取ると、その鍵を持ってた人物に目を止めた 「ん?・・・・・・・アゲハ・・何やってんだお前!待ってろって言っただろうが!」 「一緒に行きたいです!俺も連れて行って下さい!」 アゲハはそう言いながら俺の首に抱きついた 「おい!?コラ苦しい・・わかったから止めてくれ!」 「まあ、力を封印されとるから竜にあっても大丈夫だろ・・・・・多分な」 「リオン・・最後の『多分』が小声だったのが気になるが・・鍵も見つかった事だし!早速あけてみますか!人生初!ドラゴンと・・ご対~面~♪・・・って!いねーじゃん!此処じゃないのかよ!?」 扉を開くと、真ん中にある短い柱以外は見事に何もなかった・・ 気になってその柱に近づいてみると、 柱の上にはボーリング程の大きさの金の玉が乗っていた。 「おー・・スゲーでけぇ金玉(キンタマ)だな・・こりゃ・・」 「ルーク・・仮にも王子が何て品のない言い方を・・」 アゲハが呆れた顔で言うと、 横からゆっくりと歩いて来たリオンが俺の体にドンっと当たってきた 「まったくだ・・これでもこの国の王子とはな、笑えるやら呆れるやら・・この玉は【金玉(きんぎょく)】と言うのだ、ここまで大きい物は初めて見るが・・なるほど・・そう言う訳だったか・・例え奴隷用の枷をつけておっても、人間がその場で命令をしなくては竜に動き回られてしまうからな・・」 「なんだ?・・って事はだ・・このキンタマがある限り竜は動けねぇって訳か?」 「まあ、そうだな 金の方が宝石よりも魔力が高い上に扱いやすいのだ。それにこの城も金の魔力によって守られておるのだぞ、城の表面に金の粉を塗りこんで作られておるから、外敵から攻撃を受けても そうそう壊れる事はあるまい・・・どうでもいいが、お前はもっと品性を身につけた方がよいのではないか?その玉は【キンギョク】と教えたであろう」 「いや、言いにくいし!どうでもいいなら言うなよ・・リオン覚えておいた方がいいぞ!人間の男の子は大概(たいがい)クソとチンコの話してりゃ喜ぶんだ!今度試してみろよ!」 「誰がそんな品が無い事するか!もうよい!・・ほらルークあそこに扉があるぞ」 俺はリオンに言われその扉を開けてみると そこには一匹の金色の竜がいた 「お!居た居た!これがドラゴンか!思ってた通りカッコ・・・・よくはないな・・可愛い系?」 俺が竜に近づいていくと、大きさが4歳児の俺と同じくらいだった 俺はその場に膝を付きうな垂れた 「どうしたんですルーク!?大丈夫ですか!?どこか具合でも・・」 心配するアゲハを俺は掴んだ 「帰るぞ」 「え!?ここまで来たのに?竜に会いたかったのでしょうルーク?」 「ああ!そうだよ!カッコいいドラゴンを期待してたのに!・・・・こんなに小さいだなんて・・現実なんてこんなものか・・映画に出てくるドラゴンを想像してた俺が馬鹿だった!今、子供の頃からの俺の夢が一つ壊れた・・」 「いや、力を封じられておるから小さいのだろう本来はもっと大きいぞ」 「なんだよリオン、それを先に言えよ・・ドラゴンには全世界の少年の夢と希望が詰まってるんだ」 《この匂い人間だけではないな・・獣に・・妖精か?》 「わっ!?喋ったぞコイツ!・・・あれ?喋ったのか・・?」 俺達が話をしていると別の声が会話に入ってきた、 その声は耳からと言うより頭の中で響く感じに聞こえてきた。 「ルーク金竜は力を封じられていて動けんのだ、目蓋も口も開けんようになっておる・・だから直接我々の頭の中へ語りかけておる」 「へぇ~そんな事出来るんだな、んじゃ!サクッと封印解いて元の大きさになってもらおうじゃないの!」 「馬鹿者!!無理に決まっておるだろう!」 「なんでさ」 「はぁ~・・お前と話しておると頭が痛くなる・・いいか、まずあの奴隷用の枷は専用の鍵がなくては外れん【光】【闇】【風】【炎】【水】【氷】【雷】【土】の力が込められておる特殊な鍵だ、もし私に奴隷専用の枷をはめるとしたら【光】【炎】【風】の力を封じるこの3つの属性専用の枷をはめ、枷を外す時は【光】【炎】【風】の力を持った専用の鍵で開けなければ決して外れん・・そちらの金竜のように属性がわからぬ場合は全ての属性の力を封じる枷をはめられるが・・私や金竜のように魔力が強い者は余りにも力が強すぎる為、何人もの魔法の使い手に力を押さえつけられながら枷をはめられるのだ。人間に捕まれば命が尽きるまで我々は奴隷だ・・そう簡単には逃げられん・・助けることなど不可能だ・・って!私が話しておるのに何をしとるんだお前は!!」 「いやな・・これを、こうして・・・『カチッ』・・・っ・・しゃあ!!どうよ!リオン!尻尾の枷外れたぜ!」 俺は竜の尻尾の枷を外した、何故俺が鍵を開けられたかというと 俺の叔父さんが【影守(かげもり)おじさんの3分ピッキング~♪】とか言う講座をある日突然やりはじめて 色々な鍵のタイプの物を開けさせられた事があったからだ、 その名の通り3分以内に開けられなかった時はペナルティをかせられた・・ 「そんな馬鹿な!・・どうして・・こんな簡単に・・そんなわけが・・ルークお前何をしたのだ?」 「リオンお前が言ってた事は、全部本に載ってたから知ってんだよ。俺は奴隷用の枷がどんなもんだか、ちゃんとある程度調べたんだ・・まあ実物見るまで外せるかどうか分からなかったけどな・・意外と楽勝だったな!今回に関しては他の奴じゃ真似出来ねぇだろーな、全属性を持つ俺だから出来たってのがあるな」 「どういう事だ?一体どうやって外したのだ?」 「ふふん♪それはだねリオンくん、まず無属性の力でこの2つのピンを出しまして・・それをこう・・曲げまして・・と・・あとはコレを鍵穴に入れて右手に【光】【闇】【風】【炎】の属性の力をピンに流し込んで、左手は【水】【氷】【雷】【土】の属性の力を流し込みますと・・『カチッ』・・あら不思議!?なんと鍵を開けることが出来ちゃうのです♪こちらのピン!今なら大変お買い得となっておりますよ!枷が外れないそこの貴方!これさえあれば、もう大丈夫です!奴隷生活に悩まされる心配はもうございません!この30分以内にお申し込みいただければ、今回は特別に!2本のピンに加えてもう2本お付けいたします!このピンで貴方も自由を手に入れちゃいましょう!この機会をお見逃しなく!是非お買い求め下さい!・・・・・いや~・・余りに簡単でビックリしたぜ・・この城のセキュリティーとか大丈夫か?」 「ルーク・・凄いです・・まさか、あの奴隷用の鍵をいとも簡単に開けてしまうなんて・・」 アゲハが俺の方を見て呆然と信じられないもの見たような顔で言うと、 また頭の中で竜の声がした 《信じられん・・!まさか錠が外れるとは!まだ声は出んが目が多少開くようになった・・!そのピンとやらを買うぞ!いくらだ!》 「おお・・;中々ノリの良い竜だな・・」 俺がそう言うとリオンが竜の正面へ歩いていった 《その陣には触れるな【獣の王】よ、主(ぬし)も【金玉(キンギョク)】の影響を受けるぞ》 「ご忠告感謝します。【竜王】お初にお目にかかります私は獣の王・・名を【リオン】と申します。竜の王にお会い出来て光栄にございます。」 《そういう堅苦しいのは我にはせんで良いぞ、楽に話せ・・・それにしても名が有るとは珍しいな・・リオンか良い名だな》 「ありがとうございます。この名はその子に付けていただきました、私も今だ信じられませんが・・貴方の錠を外したのもその子にございます。」 「お!なんだ?いきなり口調が変わったなリオン!胡散臭い感じが、面白いぞ~」 「黙っとれ!お前は、ちゃんと竜王に挨拶せんか!」 《人間の子供ではないか!?獣の王である主が、何故人間なんかといるのだ!?》 「この子と契約をしております」 《!?・・なんと・・愚かな事を・・人間だぞ・・!?金の色を持つ主が、何故そんな無謀な事をした!》 「俺もそう思う、あ!俺はこの城に住んでる第七王子の【ルーク】でーす!ルー君って呼んで下さいね♪よろしく~」 「ルーク!竜の王だぞ!無礼な真似はするな!」 《この城の王子だと!?まて・・第七王子は確か車椅子に乗ってるはず・・よく病床(とこ)()していると・・》 「よくこんな場所に居るのに知ってるな 命に係わるからな、普段はそういう生活をしてんのさ」 《我は耳がいいのでな集中すればこの城の会話ぐらい聞くことが出来る・・確かに・・お前は赤子の頃に第一王子に毒を飲まされ死にかけたんだったな》 「へぇ~・・俺に毒を飲ませたのは第一王子だったのか・・初めて聞いたわ」 《・・・いいだろう・・錠を解いてくれた礼に教えてやる、お前に毒を盛る様に侍女に命令したのは正確には第一王子の母親だ・・お前の母親は一番国王に愛されていたゆえに他の者からやっかみを受けておった・・第一王子の母親をお前の母親は友だと思っておったみたいだが・・その友にまさか毎日少しずつ毒を盛られているとは思いもしなかったのだろうな・・城の者はお前を産んだ為、衰弱して死んだと思っておるようだが・・実際はその毒が原因だろうな」 「へぇー・・なんかドラマみてぇな話だな、奥様達が好きそう・・・もぐもぐ・・アゲハお茶」 「はい!ルークお茶です!熱いので冷ましておきました!」 「お!偉いぞアゲハ」 《・・・・・・》 「何をしておるのだ!お前達は!竜王がお前の話をしてくれておると言うのに!」 俺がクルミを摘みながら竜の話を聞いていると、リオンに再び怒鳴られた 「ちゃんと正座して聞いてただろーが!ちょっと小腹が空いたからクルミ摘んでただけだろ」 《・・・クルミか・・この700年程何も口にしておらん・・我にも一つ分けてはくれまいか?》 「700年食ってないのか!?・・それは・・よく生きてましたね・・どうぞ、お好きなだけお食べ下さい・・・って・・口あけられるか?」 《そうであった・・すまぬがもう片方の錠も外してはくれまいか?》 「面倒くせぇから全部外してやるよ・・」 先ほど尻尾と右足だけ錠を外したが、左足と首と両手は今だに錠が付いたままだったので 全部外してやろうとすると 「待て!ルーク!そんなに外してはならん!一つにしておけ!」 《ほう・・主は我に何か恨みでもあるのか?》 竜が殺気を込めてリオンに問うとリオンが焦ったように答えた 「いえ・・!決してそんな事は・・!ただ貴方が此処から抜け出してしまったら、この子はもう・・この城には居られなくなってしまうのではと・・」 「ん~・・・なあ、この封印全部解いたら自力で此処を脱出出来るのか?」 《ああ・・この錠さえなければ、こんな所いつでも抜け出せる・・ただ・・城の一部は壊れるだろうがな》 「壊すのは駄目だな・・絶対に見つかるじゃん・・やっぱり今回はもう片方の足だけ錠外すな・・そうだな・・後8年くらい待ってくんない?そしたら全部外してやるからさ」 《何故8年なのだ?》 「俺その内この城出るから・・まあ・・8年以内にはこの城出るつもりだからさ!その時一緒に出ようぜ!それまで、何か食いたいのとか、あったら言えよ持って来るからさ」 《・・いいだろう・・人間の言う事など信じられんが・・獣の王・・主が約束しろ必ずこの子に我の錠を外させると》 「待てよ!リオンは関係ねぇだろ!この話は俺とお前で話を付ける問題だろうが!」 「私は構わんルーク、竜王よ約束しよう・・必ず・・うぐっ!?」 「テメーはちょっと黙ってろ、リオン!」 俺はリオンの顎の下に手を当て そのまま思いっきり上に持ち上げ、無理やり口を閉じた 「人間にこんな目に合わされたんだ・・人間である俺を信用出来ないのは当然だと思うよ、でもな!俺がお前の錠を外す、お前は外される側!リオンは全くこの話に関係ないだろ!お前の意思で俺を信じるかどうか決めろよ!じゃなかったら、この話はナシだ!俺は今日お前に会わなかった事にする!」 《確かに・・我とお前で話をつける所を我は獣の王を巻き込もうとした、獣の王よ・・すまなかった・・我は不安なのだ・・一生この命が尽きるまで此処に居るものだと諦めておったのに・・自由になれるのではと・・お前のおかげで希望を持ってしまった、このまま置いて行かれたらまた我は・・》 「希望が持てて良かったじゃねーか、ちょくちょく食べ物持ってきてやるから楽しみが出来たとでも思って待ってろよ・・マイナス思考に走るな!プラスに考えろよ」 《マイ・・プラスとはどういう意味だ?》 「悪い方に考えるな!良い方に考えろって事だ」 《ハハ・・そうだな、わかった今更8年くらいどうと言う事はない・・ここでお前が城を出るその時まで待つとしよう・・》 「で、何持ってきて欲しい?」 俺はもう片方の足の錠を外しながら竜に聞いた 《そうだな・・水が飲みたい・・【藍国(あいこく)】の水が一番美味かったな、あれをもう一度飲みたいが・・水ならばなんでもよい持てるだけ持ってきてはくれまいか》 竜がそう答えると、錠を外し終えた俺に向かってリオンが近づいてきた。 「竜は水を好んで大量に飲むらしい・・ルーク サラスを呼べ、湖の女神ならば良い水を出してくれるだろう」 「あ!なるほど!・・では・・・・・・う~~~~ん・・・・」 「どうした?サッサと呼ばんか」 「いやな・・召喚する台詞がな・・何かいいのあるか・・?」 「また、そんな下らぬ事を考えておったのか・・何でもよいから早く呼ばんか!」 「いや!大事だぞ!・・まあ今回はいいか・・『水の神サラス来い!』」 「まあ♪ルーク初めて呼んで下さいましたわね!嬉しいですわ」 俺がサラスを召喚すると、サラスは相変わらず嬉しそうに抱きついて来た 「サラス早速で悪いんだが、この竜に美味い水を飲ませてやってくれないか?」 「あら!これは金の竜、お初にお目にかかります。わたくしはサラスと申します、わたくしの水がお口に合うと宜しいのですが・・」 サラスは水を大きな球体にして竜の口にゆっくりと運んだ 「本当は直接差し上げたいのですが・・この陣には入れませんので、こんな形でしかお渡しできなくて申し訳ありません・・」 《これは!?今まで飲んだ水で一番美味いぞ!感謝する水の神!・・・まさか水の神とも契約してるとはな驚いたぞ、まったく第七王子よ・・お前は一体何者だ?」 「名前教えたろ?名前で呼べよ・・お前クルミどれだけ食う?」 俺はクルミの入っている宝石を振ってバラバラとクルミを竜の目の前に出していた 《もう、それくらいでいいぞ・・ルーくん・・それと・・先ほどのピンとやらは、いくらで購入出来るのだ?今ならお得なのだろう?》 目を輝かせて竜が俺に聞いてくる・・ どうやら、俺が会った竜は通販が好きなようだ。

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