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20カラット~拘束の音~

「ルーク!あちらにも扉がありますよ」 「本当だ行ってみるか・・」 《ぐっ!?おい!待つのだ!その扉を開けるでない!・・獣の王よ!あの子にあの部屋を見せてはならん!早く止めてくれ!》 アゲハが扉を見つけたので俺がその扉を開けようとすると、 クルミを食べていた竜が遠くで何か騒いでいたが 俺はその部屋を開けて部屋の中を見て固まってしまった。 走ってきたリオンが部屋の中をチラッと確認した後、 俺を部屋の外へと押し出した。 《こんな幼い子に惨いものを見せてしまったな・・》 「なんだよ・・あれ・・」 《白豹だ・・捕まってから400年たった頃に命が尽きてしまったのだ・・我もいつかああなるのだと、ずっと思っておった》 俺は再びその部屋に入り白豹の枷を外し、リオンに森で埋葬するように頼むと リオンはサラスに白豹を森へ連れて行くよう言った 「では皆様、私はこれで失礼いたします」 サラスはそう一言告げ森へと帰っていった。 「ルークお前のおかげで枷が取れ、あの者は土へと返ることが出来た・・獣の王として礼を言う」 リオンが俺の前で頭を下げた 「いや・・俺は何も・・」 《ルー君すまないが、今白豹がおった部屋にもう一つ扉があるはずだ・・その部屋に居る者の錠も外してやってはくれまいか?もう・・大分衰弱しておるのだ・・》 「まだ居るのか!?わかった外してくる」 俺が竜に言われて、その部屋に入ってみると黒い虎が横たわっていた。 俺がすぐさま虎の錠を外してやると、その目蓋が開かれ水色の瞳が俺をとらえた。 俺を見ながら黒い虎は陣から出ようと立ち上がろうとするが再び床へと伏してしまう。 黒い虎の尻尾を掴んで引きずって陣から出してやると尻尾を掴んでいた俺の方を向き牙をむいて襲ってきた、 しかし・・俺の前に飛び出てきたリオンに黒い虎は驚いて飛び退いた。 お互いに唸り声を出していたが、黒い虎がリオンの姿をしっかりと確認して威嚇を止めた 「金の獣・・獣の王が何故こんなところにいる・・」 「この子を傷つけてはならん!お前を解放したのはこの子だぞ!」 「ですが・・・!人間ですよ!獣の王!俺はこの300年間ずっと命が尽きるまでこの暗闇の中でにいなくてはならないのかと恐ろしかった・・貴方にこの恐怖がわかりますか!?こんな目にあわせた人間を俺は許せません!」 「この子は他の人間共とは違う!その恐怖を断ち切ったのは・・また自由に外に出られるのは枷を外した、この子のおかげではないのか!お前はこの子に救われたのだ!それを牙を向けるとは恩知らずもいいところだ!恥を知れ!」 リオンが牙を見せ眉間に皺を寄せながら黒い虎に怒鳴り散らした。 虎はその余りの剣幕に耳が後ろに倒れて縮こまってしまった 「っ!?・・・・人間の子供・・俺の錠を外してくれた事には礼を言う・・だが!俺は人間は嫌いだ!」 「まあ、こんな目に合わされたんだもんな・・いいんじゃない嫌いで、それより大分弱ってるから暫くは森に置いてやれよリオン」 「・・・・いいだろう、ついて来い森へ案内しよう」 俺達は竜に別れを告げ黒い虎を連れて森へ向かった、 リオンが俺に話があるとかで何故かアゲハを城に置いて 俺も森へ一緒に行くことになった。

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