6 / 146

疑問

「勝手にお庭に入り込んでしまい、申し訳ございません!私、ミカエル様にお仕えしております、ルノアと申します!」 「ほぉ、…ミカエルの…」 スッと目の前に、美しい上級天使様が近づいてこられる。 「は、はいっ!と、言いましても、まだまだ下っ端の見習いなのですが…!」 ミカエル様を呼び捨てにされるのは、天界広しといえ、限られた最高位の天使様だけだ。 やはり、自分がお会いした事がない高位の熾天使様だったのだと思い至り、緊張してしまう。 「天使が迷い込むとは、珍しいですね」 え…? 不思議に思って顔を上げた瞬間、 「ああぁあぁぁあぁあぁぁぁあぁぁっ……!!!!!」 あまりの痛みに声にならない声が漏れる。 その出所が、自分だと気づいたのは、数秒後だった。

ともだちにシェアしよう!