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疑問
「勝手にお庭に入り込んでしまい、申し訳ございません!私、ミカエル様にお仕えしております、ルノアと申します!」
「ほぉ、…ミカエルの…」
スッと目の前に、美しい上級天使様が近づいてこられる。
「は、はいっ!と、言いましても、まだまだ下っ端の見習いなのですが…!」
ミカエル様を呼び捨てにされるのは、天界広しといえ、限られた最高位の天使様だけだ。
やはり、自分がお会いした事がない高位の熾天使様だったのだと思い至り、緊張してしまう。
「天使が迷い込むとは、珍しいですね」
え…?
不思議に思って顔を上げた瞬間、
「ああぁあぁぁあぁあぁぁぁあぁぁっ……!!!!!」
あまりの痛みに声にならない声が漏れる。
その出所が、自分だと気づいたのは、数秒後だった。
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