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誓い

仰向けに地面へと押し付けられ、視界がぐらぐらと揺れる。 「はぁ…、はぁ…」 ついに捕まり、急に服の上から胸を揉みしだかれる。 「ヒッ……」 「このまま、女の様に胸を揉まれながら、死んでみるか?それとも、せっかく動けないのだから、少しずつ身体を削り取っていきましょうか?」 男の体でありながら、胸を揉まれる恥ずかしさと、あまりにも恐ろしいベリアル様の言葉に震えが止まらず、涙が溢れる。 「お…ねが…ぃ、しま…す…、苦し…、助け…」 毒の苦しさに、涙が次々と零れる。 必死に絞り出した声の合間に、咽からヒューヒューと息が漏れる。 「ああ、もっと苦しめ。お前の泣き顔は、たまらなく私を昂ぶらせる…」 うっとりと呟くベリアル様のあまりにも美しい表情に、恐怖に怯えながらも、おもわずその美しさに見とれてしまう。 「助け…て、くださ…ぃ……」 徐々に呼吸もうまく出来なくなり、必死にベリアル様に縋り付いて許しを乞う。 「跪け」 「ぐっ…ぅっ…」 ぐっ、と頭を地面へと押し付けられる。 「跪いて、私にもっと懇願しろ」 「ベリ…アル…さま…」 「貴様のみっともない不様な様が気に入れば、助けてやろう。その、小汚い羽根も治してやる。そうだな…、貴様ら天使の一部の間では、捕らえた悪魔を飼い慣らす悪趣味な遊びが流行っているらしいな…」 「…はっ、は…」 「気が向けば、それも悪くない。私が飽きるまで遊んでやろう」 もう、ベリアル様が何を言っているのかすら理解できず、地面に額を擦りつけ、ただただ、何度も許しを乞い続けた。 「貴様の生死も、全て私の手の内にあるのだと、ゆめゆめ忘れるな」 そう囁かれ、何度も頷き、意識は途切れた。

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