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告白
沢山の花が咲き乱れるお庭。
あんなに素敵なお庭を持っているのだから、きっとベリアル様は本当はお優しい方なのではないかと思う。
けれど、その瞳の奥は酷く冷えていて、
自分なんかが烏滸(おこ)がましいけれど、
温めてあげる事が出来たら良いのにと、
夢を見る。
美しくて、恐ろしいベリアル様。
天界にいた頃は、こんなに恐ろしいと感じた事など無かった。
「何を泣いているんです?」
「あ…、」
「花に謝っていましたね。馬鹿馬鹿しい」
「も、…申し訳…ございません」
ベリアル様が近づくと、身体は最初の恐怖を思い出し竦んでしまう。
「震えていますね、私が恐ろしいですか?」
「は…、はい……、で、ですが…」
「何だ?」
「わ、私は、ベリアル様の事を、その…、お…お慕いしております…」
「は……?」
ベリアル様が、目を見開き、呆気に取られたお顔をする。
ベリアル様の驚いたお顔を見るのは初めてでした。
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