49 / 146

「っ…」 必死に詰め寄る私に、ベリアル様のお顔が、一瞬困っている様に見えた。 でも、それは本当に一瞬の事で、すぐに冷ややかな顔に戻る。 だから、もしかしたら見間違いだったのかもしれない。 「だったら、自分から躾をしてくださいと、床に頭をつけて懇願しなさい」 命令されて、躊躇する。 土下座をするのが、嫌だったからじゃない。 怒っているベリアル様が、これからしようとしている躾が恐ろしかった。 「早くしろ」 それでも、それに耐えれば、ベリアル様に許して貰えるのならと拳を握り、ベリアル様の足元に跪く。 「わ、私に、躾をしてください」 震える唇で、やっと言葉を絞り出した。 「なら、着ている物を全て脱げ」 また命令をされ、言われるまま、服を脱いだ。 恥ずかしくてたまらなくて、視界が涙で滲む。 「何だ、もう何度も私の前で裸になっているのに、まだ慣れないのか?」 呆れた様なベリアル様の声。 慣れる筈なんて無い。 大好きなベリアル様の前で、自分から裸になって辱められ、これから痛い事をされるのかと思うと、酷く逃げだしたくなった。

ともだちにシェアしよう!