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躾
「っ…」
必死に詰め寄る私に、ベリアル様のお顔が、一瞬困っている様に見えた。
でも、それは本当に一瞬の事で、すぐに冷ややかな顔に戻る。
だから、もしかしたら見間違いだったのかもしれない。
「だったら、自分から躾をしてくださいと、床に頭をつけて懇願しなさい」
命令されて、躊躇する。
土下座をするのが、嫌だったからじゃない。
怒っているベリアル様が、これからしようとしている躾が恐ろしかった。
「早くしろ」
それでも、それに耐えれば、ベリアル様に許して貰えるのならと拳を握り、ベリアル様の足元に跪く。
「わ、私に、躾をしてください」
震える唇で、やっと言葉を絞り出した。
「なら、着ている物を全て脱げ」
また命令をされ、言われるまま、服を脱いだ。
恥ずかしくてたまらなくて、視界が涙で滲む。
「何だ、もう何度も私の前で裸になっているのに、まだ慣れないのか?」
呆れた様なベリアル様の声。
慣れる筈なんて無い。
大好きなベリアル様の前で、自分から裸になって辱められ、これから痛い事をされるのかと思うと、酷く逃げだしたくなった。
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