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「爪を1枚ずつ剥いであげましょうか?それとも、その皮膚を少しずつ切り裂きましょうか?」 「っ…、ひっく…」 「恐いか?」 あまりの恐ろしさに、ただただ震えながら頷く。 ベリアル様が取り出したのは、黒い革の鞭だった。 あれで叩かれるのかと、痛みを想像してまた涙が溢れる。 「あのまま、ベルゼブブの所にいれば、そんな思いもせずに済んだものを。今からでもベルゼブブの所へ戻るか?」 「い、嫌…です…、べ、ベリアル様のお側に置いて下さい…」 「馬鹿な奴だ」 ベリアル様が鞭を振り上げた。 「ヒッ…!」 鞭が肩を打ち、鋭い痛みが走る。 「四つん這いになりなさい」 痛みに耐えながら四つん這いになると、背中に鞭が何度も振り下ろされた。 「うっ…く…、あぁっ…!!」 痛い。 痛いのは嫌だ。 でも、ベリアル様に見捨てられるのは、もっと嫌だ。 痛みに耐えながら泣いていると、やがて鞭がやむ。 ベリアル様は鞭を放り投げて、ぐったりと床に蹲る自分の体を抱き上げた。

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