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ベリアルの過去

「何を真っ青になっている。誉めているのだ」 「は、はぁ…」 とてもそうは聞こえなかったけれど、やはり天界と魔界では色々と違うのかと首を傾げる。 そして、ベリアル様の事を何でも知っている様なベルゼブブ様が、何だかとても羨ましい。 きっと、私が生まれるずっとずっと前から、二人は親友なのだろう。 「べ、ベルゼブブ様は、ベリアル様とずっとお友達なのですか?」 「お友達………」 私の言葉に、ベルゼブブ様は暫く沈黙した後、再び大声で笑い出す。 「も、申し訳ございません!あの、私、何か変な事を言ってしまいましたでしょうか?」 また、何かおかしな事を言ってしまったのかと慌てる私に、ベルゼブブ様は首を振る。 「いや、すまない。あまりにも可愛らしい言い方だったものでな…くく…」 幼稚な言い方だったかと、恥ずかしくなる。 「そうだな、もう随分と長い付き合いだ。楽しませてもらった礼に、ベリアルの昔話をしてやろう」 「ベリアル様の?」 聞きたい。 ベリアル様の事をもっと知りたい。 目を輝かせる私に、ベルゼブブ様は満足そうに笑って話し始めた。 「あれは、元々は天界にいたのだ」

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