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ミカエルとベリアル
「あ、あの、ベルゼブブ様…。天使だったベリアル様が、どうしてそんな位の高い悪魔さんと戦って勝つ事が出来たのですか…?」
「あれは、元々は熾天使だ」
「ええ!?」
熾天使様と言えば、天界で最高位の天使だ。
私が仕えさせて頂いていた、ミカエル様と同じ熾天使…。
どうりで、美しく強い訳だと感嘆する。
「まぁ、熾天使の中でも浮いた存在だったがな。何しろ、ベリアルと言えば悪魔の鏡の様な性格をして………いや、悪魔でも、あそこまでの非情は見た事は無いが…」
言いながら、さも愉しそうにベルゼブブ様が笑う。
何が可笑しいのか、分からない私の頬は引き攣っていた。
やっぱりベリアル様は、凄く恐い悪魔さんなのだと思い知る。
「特にミカエルとは仲が悪かったと聞くぞ。ベリアルを悪魔の中の悪魔と称するならば、ミカエルは天使の中の天使。まるで正反対だからな。無理も無い」
「ベリアル様は、ミカエル様とお知り合いだったのですね…」
だから、ミカエル様の事を悪く言うのかと納得する。
大好きなお二人が仲が悪いと聞いて、何だか悲しい気持ちになった。
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