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悪魔の誘惑
「やはり、可愛らしいな」
「え?」
泣きながらベルゼブブ様を見上げると、ベルゼブブ様の手が、私の頬にあてられる。
「俺の城へ来ないか?俺ならば、ベリアルの様に乱暴な事をしたりしないぞ。死ぬ程気持ちいい目にあわせてやる…」
「ええ!?そ、そんな…」
さっき、もう連れて行かないと言っていたのに…、とベルゼブブ様の言葉に焦る。
しかも、気持ちいい目って…、
やっぱり、そういう事!?
更に、抱き寄せる様にベルゼブブ様が近づく。
「だ、駄目ですっ…わ、私、私…」
ベルゼブブ様の端整なお顔が近づいてくる。
「べ、ベリアル様としか、えっちできませんっっ!!!!」
人生で一番叫んだかもしれない。
だって、せっかくベリアル様が此処にいても良いと言ってくれたのに、ベルゼブブ様のお城へ連れて行かれるのは嫌だった。
だから、精一杯自分の気持ちを叫んだ。
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