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確信犯
「何をしている?」
不意にした声に振り向けば、そこにはベリアル様の姿があった。
「べ、ベリアル様!?」
「何だ、良い所で邪魔が入ったな」
大袈裟に肩を竦めて、ベルゼブブ様が離れていく。
「何が良い所だ。泣いているだろう」
「こ、これは…」
これは違うと否定しようとするけれど、ベルゼブブ様に遮られる。
「お前としかセックスをしたくないそうだ」
「繰り返すな。あれだけ大きな声で叫ばれれば、嫌でも聞こえる」
ひゃああああ!?
き、聞かれていた!?
しかも、とんでもない事を言ってしまったと真っ赤になって慌てる私に、ベルゼブブ様は笑いを噛み殺しているし、ベリアル様は呆れている。
「お前は、私にどれだけ恥をかかせれば気がすむのだ…」
「も、申し訳ございませんっ…!」
勝手にあんな事を言ってしまうなんて、御迷惑に決まっている。
また、怒らせてしまっただろうかとベリアル様の顔色を窺えば、心底呆れている様ではあったけれど、怒っている訳ではなさそうだった。
「お前も、ルノアで遊ぶな。それから、私を試そうなどと考えるな。煩わしい」
「さて、何の事だかな」
ベリアル様の言葉に、ベルゼブブ様にからかわれたのだと気づいて、更に恥ずかしさに俯いた。
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