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知らない過去

ベリアル様の手が、私の見習い着をたくし上げる。 「あ、あの、べ、ベリアル様…!?」 「やれやれ、お前はいつになれば、自分から服を脱いで私を誘惑できる様になるんです?」 そんな事は、100年先も1000年先も、自分には到底出来そうもない。 何となく、からかわれていると分かるけれど、それが分かったからといって、私に何ができる訳でもない。 「む、無理です…」 涙ぐみながら言えば、ベリアル様がくつくつと笑う。 「私がお前に飽きる前に、自分から跨がって腰を振って愉しませてもらいたいものだな」 「!?」 自分から、ベリアル様の腰を跨いで、美しいお顔に反して長くて太い物を自分から挿入する…。 想像しただけで羞恥で、くらくらと眩暈がする。 だけれど、ベリアル様が気持ち良さに頬を染め、悦びに眉を顰めるのは、どれ程美しいだろうと考えて、顔が熱くなる。 「顔が真っ赤だが、どんな想像をしたのです?」 「も、申し訳ございませんっ!か、勝手に淫らな想像をっ!」 「ほぉ?では、どんな想像をしたのか、これから聞き出す事にするか」 「!?」 私の想像はとても口に出来ない内容だけれど、きっと最後には言わされてしまうだろうと途方に暮れる。 はぐらかされてしまったけれど、いつか、ベリアル様御本人の口から、過去の事を話して下さるだろうか…。 そんな事を頭の片隅で思いながら、私の意識は次第にベリアル様によってもたらされる快楽に翻弄され、何も考えられなくなっていった。

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