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美しい庭
ベリアル様の部屋の窓から外を見下ろすと、美しいお庭がちょうど見える。
ベリアル様のお城の周り以外は、冷たい岩肌や茶色の干からびた土の地面がどこまでも続いている。
「ベリアル様、あのお庭はベリアル様が手入れをされているのですか?」
こんな荒れた土地、相当お世話をしなければ、これ程のお庭は作れないし、保持出来ない。
「チェックはするが、毎日の手入れはベルゼブブの部下の庭師がしている」
「庭師…」
こんなに綺麗なお庭を保てるのは、お花の専門の知識がある方がお手入れをしているからかと感動する。
「お前は本当に花が好きですね…」
「ベリアル様もお好きですよね?」
「別に、興味は無い」
「え?でも、あんなに広くて美しいお庭…」
「あれは、仕事用だ」
「仕事用?」
「茶になる茶葉やハーブもあるし、薬になる物もある。毒や媚薬もあの庭の植物で作れる」
「毒…」
恐ろしい言葉にぶるりと震える。
実際に、ベリアル様に初めてお会いした時に毒を打たれて、本当に息もできない程に苦しくて、死んでしまう所だった。
あんなに美しいお庭から、そんな恐ろしい物が作られるのかとゾッとする。
そんな私を面白がって、ベリアル様は私の体を引き寄せて、耳元に口づける。
「お前に打った毒も、あの庭で作ったのですよ…」
そう囁いて、ベリアル様はニヤリと笑った。
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