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秘密の花園

美しいベリアル様のお庭が、急に恐ろしいものに思えて涙目になる。 お花に罪は無いのだから、そんな事を思ってはいけないと思うけれど、毒は恐ろしい。 「ど、どうして、そんな恐ろしい物を作るのですか?」 何故、わざわざ苦しい思いをする物を作るのだろう。 「相手を屈服させたり、従わせたりと役に立つだろう。纏めて殺す手間も省ける。戦争や拷問…、使い方は多種多様ある」 「戦争や、拷問…………」 恐ろしい言葉の数々に気絶してしまいそうだった。 「現にお前は私に地面に這いつくばって許しを乞うたではないか」 大悪魔さんに命令されれば、毒なんか打たれてなくても私は許して下さいと必死にお願いしたと思うけれど、恐ろしくてそんな事は言えない。 すっかり血の気が引いて黙り込んだ私をベリアル様は可笑しそうに笑った。 「お前は本当に良い顔をする」 ベリアル様は私が恐がったり、怯えたりすると、何故だか凄く喜ぶ。 「そうか…、お前は天界と魔界が条約を結んだ後に生まれたのだな。だから、戦争の経験がないのでしょう?」 頷けば、ベリアル様は気分が良さげに私の頭を撫でた。 心なしか、いつもより饒舌な気がする。 「何も、戦争は魔界だけで起こっている事では無い。昔は天使とて悪魔と戦争をしたものだ。中でもミカエルはえげつなかったぞ」 「み、ミカエル様…?」 懐かしいお名前に胸が締め付けられた。

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