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落胆
「何故泣く…?」
「べ、ベリアル様が、ずっとひとりぼっちだったのが…、ひっく、可哀想で…」
ベリアル様が呆れた顔をする。
「………元より同情されるのは嫌いですが、お前に同情されると尚更腹が立ちますね…」
「ええ!?」
「私は一人が寂しい等と思った事は一度もありません。寧ろお前一人いるだけでも騒々しい位だ」
「ふえ!?」
立て続けにベリアル様に言われ、ショックを受ける。
ベリアル様を元気づけたいのに、苛立たせてしまった。
自分は、日頃から全然ベリアル様のお役に立てていないのだ…。
寧ろ、邪魔をしてしまっている…。
そう思うと、何だか悲しくなって涙がぽろぽろと溢れてくる。
落ち込んでいると、目の前に掌サイズの箱が差し出された。
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