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小さな箱

「そういえば、お前にこれをやろうと思って忘れていた」 「?」 思わず受け取り、 箱とベリアル様を交互に見つめる。 「気に入らなければ捨てろ」 そう言われて、ぶわっと顔が熱くなる。 きっと、今の自分の顔はこれ以上ない位に真っ赤だ。 これは、 つまり、 プレゼントだ!! そう気づいて、興奮気味にベリアル様に問いかける。 「こ、これ、開けてもいいのですか…!?」 「開けずにどうやって中身を取り出すのだ?」 呆れているベリアル様の横で、小さな箱を開けてみる。 そして、そのまま固まる。 てっきり、中身はハチミツかみるくのキャンディかお菓子の類と思っていた。 だけど、 そこには、花の形をした髪飾りが入っていた。 中央には、私の瞳と同じ色の青い宝石が填め込まれている。 「綺麗…」 思わず見とれて呟くけれど、はっとしてベリアル様に慌てて箱を返した。

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