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鳥籠の鳥1~ベリアル視点~
「ミカエルがルノアを探しているらしいぞ」
ベルゼブブの言葉に足が止まる。
「…だろうな」
「たかだか見習いの天使一人居なくなっただけで、魔界にまで捜索をかけるなど、冷静なミカエルらしからぬ必死さだな?」
「ルノアは彼奴が如何にも好きそうなタイプだからな」
「堕落して姿を消したやもしれぬのにな」
「ルノアに限ってそんな事はないと信じ込んでいるのだろう」
「大昔に守れなかった誰かさんと重ねているという訳か…。過去の幻影に囚われて、何と哀れな事か…」
口調とは裏腹に楽しげに笑うベルゼブブを一瞥する。
ベルゼブブもミカエルが気に入らないのだ。
「しかし、愛する小鳥は憎い相手の庭へ迷い込み、今や籠の中だ。傑作だな」
ベルゼブブがくつくつと笑った。
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