84 / 146

鳥籠の鳥3~ベリアル視点~

「やれやれ、気分屋め…。どうせ、俺に受け渡しをさせるつもりだろう」 「此処へは誰も近寄りたがらないのだから仕方あるまい。それに、貴様が焚きつけたのだろう…」 「では、責任をもって一流の職人に作らせよう」 心底楽しそうにベルゼブブは笑った。 ♢♢♢ 単純なルノアの事。 馬鹿の様に手放しで喜ぶだろうと思っていた。 それなのに実際は箱を突き返してきた。 髪飾りが気に入らないのかと思っていたが、自分には似合わない等と言いだす。 それでも髪飾りをつけてやれば、感動に頬を紅潮させている様に、私自身が戸惑わされた。 いつも私の予想通りにならないルノアに、気がつけばもっと知りたいと思っている自分に気がつく。 もしかしたら、ルノアに惹かれはじめているのかもしれないと、ふと思い。 そんな事はありはしないと心の中で否定をした。

ともだちにシェアしよう!