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愛しの悪魔

ふと掃除の途中に窓に映る自身の姿に気づけば、美しい金細工の髪飾りが映し出される。 自分とは縁遠い美しい装飾に、溜息が漏れる。 こんなに素敵な髪飾りを、私なんかの為に作って下さったのかと、嬉しさと申し訳ない気持ちとが綯い交ぜになって湧き上がる。 それと同時に、込み上げるのは、ベリアル様への気持ちだった。 以前は、天界に帰りたい思いと、ベリアル様の側にいたい気持ちとで心は激しく揺れ動いていた。 けれど、今はベリアル様の側にいたい気持ちの方が勝っている。 きっと、私は悪い天使だ。 自分に与えられた職務よりも、自分の気持ちを優先したいと思っているのだから…。 恋に溺れてしまった私を、神様は罰するだろうか。 こんな気持ちは許されないのだろうかと、葛藤が胸を苛む。 だけれど、もしも許されるなら、ベリアル様のお側に居させて欲しい。 心の中で、そう神様にお願いをした。

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