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お留守番

「ルノア…?」 ふと声の方を見れば、ベリアル様が訝しげに此方を見ていた。 「お前が掃除の最中に、ぼーっとしているのは珍しいな」 「あ、ベリアル様…」 「どうでも良いが、ほうきが上下逆さだぞ」 「あ、あ!?す、すみません…!」 ぼんやりしていて、気がつかなかった…。 恥ずかしい…。 「ルノア、私はこれから急用で出掛けます。二、三日かかるかもしれないので、お前は留守番をしていなさい」 突然のベリアル様の言葉に、私はほうきを持ったまま固まった。

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