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尾ヒレ、背ビレ、胸ビレ

「て、天使…?」 一人の悪魔さんが私を指差して呟いた。 「はい!天使のルノアと申します。初めまして!」 笑顔で答えてお辞儀をすると、もう一人の悪魔さんが慌てて指差していた悪魔さんを肘で小突く。 「ば、バカ!ベリアル様の恋人のルノア様だ!」 一瞬、言葉の意味が分からなくて固まる。 今、目の前の悪魔さんは何と言ったのだろう。 私の事…? ベリアル様のペット…ではなくて…。 「「こ、恋人ぉぉ!?」」 私と悪魔さんの声が見事にハモる。 私は突然の言葉にわたわたと紅くなってしまうし、悪魔さんは青くなるしで、一時その場は騒然とした。

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