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その後も、見張りをしている悪魔さん達にもお礼を言おうと近づいたけれど、同じ様に避けられてしまった。 何だか私の事が変な噂になってしまっている様で、まるで恐ろしいものでも見るかの様に皆震え上がっていた。 まさか、天界にいる時は恐くて仕方なかった悪魔さん達に怯えられる日が来るなんて思いもしなかった。 「寂しいな…」 ぽつりと呟けば、よりいっそう寂しさが込み上げて悲しい気持ちになる。 ベリアル様が居ないと、何だか胸がスースーして、とても悲しい。 「早く、帰ってきて下さい…。ベリアル様…」 見上げた空は月明かりで、天界の空に比べて薄暗い。 その光で心の霧を払うには、あまりに頼りなかった。

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