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小鳥の囀り~ベリアル視点~

静まり返った城の中は、ルノアが現れる前はいつもの事だった。 己が発する音以外は何の音もない。 ルノアは、今頃ベルゼブブの城へ向かっただろうかと考え。 そんな事はどうでも良い事だと、自分を戒める。 先程からそれを何度も繰り返している事に気づいて、内心舌打ちをした。 居なくなって、なお私を苛立たせる。 そればかりか、ルノアの笑顔がちらついて、先程から書類に走るペンが何度も止まる。 ふと、頭を過ぎる。 これは、喪失感なのだろうか? いや、そんな筈はない。 元々、長く手元に置くつもり等無かったではないか。 それに、ルノアは天界へ帰る事を望んだのだ。 自分の意思で鳥籠から逃げ出した鳥が、元居た森に帰ろうと、途中で息絶えようとも、それは最早関係の無い事だった。 不意に、扉がノックされた。

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