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間違い~ベリアル視点~

「逃げ出したのをお前が連れ戻した様だが、私は貴様の暇潰しの為に下らない恋愛ごっこをするつもりも無ければ、ルノアをいつまでも此処に置いておくつもりもない。ましてや、逃げ出す為にルノアは機会を窺っていたのだから…」 「ルノアから何も聞いていないか?」 最後まで言い終わらないうちに、ベルゼブブが言葉を遮る。 「何?」 「城から出た理由をだ」 「ふん、知れた事。大方、天界に戻れると思ったのだろう。所詮、ルノアはただの天使だ。私を慕っている等と世迷い言を言いつつ、結局はミカエルを選んだのだ」 「…………お節介は俺の本意では無いが、親友の為に伝えておく」 「何だ?お前が改まって、気持ちの悪い」 「ルノアは、俺に最後にミカエルに別れを告げたいと…、もう天界には戻らない事を伝えに行きたいと話したのだ」 「なっ………」 己の耳を疑う。 勢いよく立ち上がった拍子に、ペンが床へと転がり落ちた。

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