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親友3~ベルゼブブ視点~
俺はますますベリアルに、心酔していった。
最初こそ、ベリアルは不遜な態度だったが、徐々に俺とベリアルの間には奇妙な友情と信頼関係が生まれていた。
それは、手負いの獣を手懐ける様な快感だった。
だが…。
今は親友でも、必要に迫られればベリアルと敵対する事もあるやもしれない。
正直な所、ベリアルを敵には回したくないが、未来の事は分からない。
あの日、敵対する立場として出会った俺達が親友になった様に…。
ベリアルは自分の生死に無頓着な所がある。
目的の為ならば、手段も死のリスクも厭わない。
万が一、俺が居なくなって止める相手がいなくなれば、無茶をしかねないベリアルの危うさを俺は危惧していた。
だが、ルノアが傍にいれば、ベリアルも自分の身を少しは省みるだろう。
ルノアはけしてベリアルの傍を離れないし裏切らない確信があった。
いや…
自分がそう信じたいのかもしれない。
願わくば、何時までもベリアルとルノアを見守りたいものだと思った。
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