右も左も分からない魔界で、何処に行けば良いのだろう…。 ベリアル様のお城からまともに出た事の無い自分には、魔界の土地勘等全くない。 ベルゼブブ様の所へ行けば、天界へ帰る為に助けてくれるだろうか？ きっと、ベルゼブブ様は力になってくれると思う。 だけれど、一度天界へは帰らないと決めたのに、こんな気持ちではミカエル様の元に戻って、今までと同じ様に生活するなんて、とてもできそうに無かった。 やはり、ベリアル様のお城へ戻ろう。 また、怒らせてしまうかもしれない。 だけど、 ベリアル様の事を諦める事なんて出来そうもなかった。 踵を返した、その時だった。 「あれぇ？こんな所に天使がいるぜ？」 「！？」 頭上から声が聞こえて顔を上げれば、空から一人の悪魔さんが目の前に降り立った。