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取り合い

慌てて口を開こうとする。 だけど、それよりも先に耳の尖った悪魔さんが、黒髪の悪魔さんに凄い勢いで詰め寄った。 「おい!それは抜け駆けだろう!」 「何だと?」 ギロリと睨みつける悪魔さんに、当人ではないのに、震えてしまう。 「俺だって、この子の事が可愛いと思ってたんだぞ!」 「知るか!最初に見つけたのはこの俺だ!」 言い争いをしている二人をすり抜けて、獣の悪魔さんが私の肩に手を回す。 「やれやれ、騒がしい事だな。ルノア、こんな子供みたいな連中等相手にせず、私の伴侶にならないか?」 「「抜け駆けすんな!!」」 ど、どうしよう…。 何故だか分からないけれど、私のせいで喧嘩になってしまっている。 私は、どうしたら良いのか分からずにおろおろするばかりだった。

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