『他の者に触れられるのは嫌なのに、私には抱かれたいのか？』 『此処に居たければ、勝手にしろと言ったのだ』 『何を馬鹿な…、お前に似合う様に作らせたのだから、似合わない筈がないだろう…』 ベリアル様の声を思い出して、泣いてしまいそうになる。 優しくされた記憶は、数える程しか無い。 だけど、段々と優しくなるベリアル様の表情を一つ知る度に、どんどん好きになっていった。 ベリアル様の所へ帰りたい…。 捨てられてしまったけれど、 ベリアル様が私の事をいらなくても、 私の心は、 ベリアル様のものでありたい。 「私…、心に決めた方がいるんです」 自分に言い聞かせるように、私は呟いた。