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ただのペット

バルトさんが、ショックを受けた様なお顔をする。 「こ、心に決めた相手って、その髪飾りの贈り主か…?」 「はい…、捨てられてしまいましたけど…」 「捨てられた…だって?」 私の言葉に、バルトさんが怖い顔をする。 「そんな奴忘れろっ!!」 急に怒鳴られて、びくりと肩が震える。 「一度愛を誓った相手を捨てるなんて、男の風上にも置けない奴だ!俺の父上も愛した相手は大切にしなければいけないと、いつも言っている!」 「あ、愛を誓い合った訳じゃないんです…。わ、私の片想いですし…」 そうだ、私が勝手に想っているだけ。 ベリアル様に、好かれている様な覚えは少しも無い。 いつも、呆れられて、怒らせて…。 少しもお役に立てなかったなと思い出す。 「私は…、ただのペットでしたから…」 「なっ………!?」 バルトさんは絶句し、私の顔を凝視していた。

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