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誰の息子

ふと、疑問に思い、恐る恐る聞いてみる。 「べ、ベリアル様は、バルトさんとお知り合いなのですか?」 まるで、お互いの事を知っている様な言葉に 、もしかしてと顔見知りなのだろうかと思う。 「此奴はベルゼブブの息子だ」 「え?」 一瞬、ベリアル様の言葉の意味が分からなくて固まる。 「ええええっっ!?」 ベルゼブブ様の、 息子って…、 息子ぉぉ!!?? というか、ベルゼブブ様って、御子息がいたの!? そう言われてみれば、バルトさんって、どことなくベルゼブブ様に似てる様な気が…。 うわぁ…!! 「前々から目障りだった、丁度この機会に消してやろう」 一人で驚いている私に構わず、2人は相変わらず睨み合っている。 「ベリアル!!貴様っ、俺に手出しすれば、父上が黙ってはいないぞっ!!」 「知れた事。己の力量も弁えず俺に盾突く程の愚か者ならば、ベルゼブブも呆れて見捨てるだろう」 「ぐっ…」 「もし、ベルゼブブが貴様如きの為に私を消そうとするならば、その時は争うまでだ」 「だ、だめっ!!殺しちゃだめです!!」 慌てて、ベリアル様にしがみつく。 ベリアル様に誰かを殺すなんて、恐ろしい事をもうして欲しくなかったし、ましてや親友であるベルゼブブ様の息子を手にかけるなんて、絶対にさせちゃいけない。 私は、必死にベリアル様の体に回した腕に力を入れた。

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