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第4話

キリキリと縄が透の痩身を締め上げる。 「あ、ああ………嫌だ! どうして………っ」 朱の襦袢を羽織ったまま、透は彰広に縛られた。 その体に幾重にも縄をかけられ、背後からぎゅっと締め上げられれば「ああう!」と、透は背を反らせ、苦悶の声を上げた。 だが彰広は、その声に甘い響きが僅かに混ざっていることに気付いた。 ぞくぞくする。 戸惑い、嫌がり、怯えながらも透の体は熱を持ち始めているのだ。 「嫌だぁ、やめっ………いっ、ぅあ!」 後手胸縄縛りにして、透を立たせた。 胸側から麻縄と梁を引っ掛け、ぐいと引き、軽く吊った。 「あっ!」 透の片脚に新たな縄をかけて吊り上げる。片脚だけで立った状態に縛り吊られ、襦袢の裾が大きくはだけた。 「いやっ」 透は襦袢の下に何も付けておらず、めくれた裾を縄に引っ掛けるようにされて股間を剥き出しにされた。 「やめろ! なんで、こんなことを!?」 羞恥に震え、襦袢を乱され、縛られ股を開かされた透は淫らだった。 彰広は透の問いには答えず、じっくりとその恥態を視感した。 「あきひ、んぅ!」 彰広は透の髪を鷲掴み、再び口を吸った。ひとしきり舌を絡めて離れるとき、唇に直接囁いた。 「………ずっとこうしたかった」 「あ、彰広?」 「俺はお前のことを抱きたいと。裸に剥いて、犯して鳴かせたいと、ずっとそう思っていた」 「そ、んな………」 透を解放してやれば、幼馴染みとして、友人としての関係に戻れるだろう。 だが彰広はもうそんなことはどうでもよかった。 物心のついた頃から、透だけを想ってきたのだ。 それがこんな場所で、客と男娼として再開したのだ。 もう自分を抑える気など無かった。 「あ! 彰広ッ!!」 彰広の手が下肢を這う。 後ろの蕾に触れて、彰広は眉を顰めた。 秘処はヌルつき、解れている。 自分以外の誰かが透に触れた証だ。 彰広はカッとなり、透の髪を鷲掴んだ。 「あぅ!」 「誰に触れさせた!? 男にここを許したのか?」 「ちが………ッ」 「言え! 透!」 キリキリと髪を掴まれ、透の目に生理的な涙が浮かぶ。 「ゆ、指で」 「指だけか? ここに男根を突っ込まれたんじゃねぇのか?」 ぐいと透の後孔に指を突き入れた。 「あぁあ! されてないッ! そんなこと………ああ!」 初モノの男娼には、客の手間を省く為に後孔を仕込んでおくのは当然のことだ。 そんなことは分かっているが、彰広は嫉妬で狂いそうになる。 例え指だけだろうとも自分以外の男が透に触れたのだ。 「いやぁあ! ぬ、いてぇ………やぁあ」 「お前の体を確かめさせてもらう」 少し乱暴に指を抜き、彰広は暗い声音で透の耳に囁いた。  ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 透を吊るしたまま、彰広は男根を模した張型を透の眼前に晒して見せた。 その大きさに透がヒッと息を呑む。 「お前が処女なら、こんなでかいのは入らないはずだろう」 「や、やめてくれ、彰広!」 透は縛られた体を揺らして怯えて拒否するが、身悶えながら誘っているようにしか見えなかった。 「ひ!」 開いた股の間に、ヒタリと張型の亀頭部分を当てられて、透の体は怯えてすくんだ。 「力抜いてろよ、透」 メリッと狭い後孔を引き裂くように、亀頭部分が押し込まれる。 「あ、あぁあッ!!」 透は目を見開いて、痛みに硬直した。 「うぐぅ、あ! ………やめ………裂ける………あッ!」 脂汗をかき、真っ青になった透の顔を彰広は視感していた。 確かに透の孔はキツく締まり、この巨大な張型の雁の部分すら入りそうになかった。 「はぁっ………はぁっ………」 彰広は張型を挿入するのを止めた。 透はがくりと項垂れ、荒い息を吐いた。 「男を知らないってのは本当みたいだな」 「当たり前だろう! もう解けよっ」 だが、彰広は今度は小さめの張型を手にして言った。 「じゃあ尚更、準備しねぇとな」 「な………」 彰広は透の後孔に、今度は優しく指を這わせた。 「ここに俺のを突っ込むんだ。ちゃんと広げてやらねえとな」 「彰広!?」 「しゃぶれ。透。濡らさねえと裂けるぞ」 彰広は透の唇に張型を押し付けた。 逆らうことを許さないその声に、震えながら透は唇を開いた。  ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 「あ………ぁああ………い、やぁ!」 自ら舐め濡らした張型を後ろに突っ込まれ、押し戻されないようにと縄で固定されていた。 張型を挿入されたままの苦しさに悶える透の体を彰広が濃厚に愛撫していく。 乳首を舐め、噛まれ、肉茎を扱かれる。 「あ、あ、やめてぇ・・あぁあ。」 「こんなに濡らして、いやらしい奴だ」 「言うなっ」 「男娼の素質があるんじゃねえか」 「違う! ………ひぃ、あ!」 言葉と舌と手のひらで責められ、淫らに鳴かされた。 何度もイキそうになり、この度にはぐらかされるように、決定的な刺激は与えられずに焦らされた。 悲鳴は啜り泣きに変わった頃、ぐったりとした体を梁から降ろされた。 一度縄を解かれ、襦袢を剥かれる。 今度は股を開いた状態で、手首と足首を一つに縛られた。後ろには男根を模した張型を咥えたままだ。 「あ、うむぅ………」 淫らに縛った透の裸体に覆い被さり、彰広は透の唇を貪った。 唇から首筋、そして胸の尖りへと彰広の舌は徐々に下がり、ついに透の肉茎を舐めあげた。 「ああッ!!」 先走りの汁で濡れた肉茎を、じゅるじゅると淫らな音を立てて吸いしゃぶった。 「あぁあ………だめ、ああ! ………あ、きひろ」 透に甘く呼ばれて、彰広の背を歓喜と欲望が走る。 「透。こっちの孔は誰にも触れさせちゃいねぇだろうな?」 「あぁ………なにを………?」 彰広は親指で透の尿道をくぱぁと開いて、舌をグリグリとねじ込んだ。 「ひ、嫌だっ!」 彰広は編み針の竹針のように細い棒を手にしていた。その棒にいちぶのり(潤滑剤)を絡める。 「透。大人しくしていろよ」 細い棒を尿道にひたと当てられ、透は彰広が何をするつもりか悟った。 「やめて、お願い………そんな……あ、怖い………ッ! 彰広ぉ!」 悲鳴のような声で名を呼ばれて、彰広の雄は熱くなる。 透の全てを汚して、奪ってしまわなければ治まりそうにない。 ず、と透の尿道に細い棒を埋めていった。 「ぃやあぁああ─────ッッ!!」 縛られた透は喉を反らせて叫び、見開いた目から涙を溢れさせた。

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