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第10話
俺のベットが、獣人一人と人間一人の重さにギシリッと音をたてる。
「ねぇルウ。僕が怒ってるのは分かるよね?」
俺の上に跨るアルベルトの口元は、いつもみたいに笑っていない。
「あぁ、すまなかった」
「君から着信が入った時。凄く心配したし。動揺してしまった」
「……わりぃ」
「後、殺意も沸いた」
「あぁ……だろうな」
「はぁ~……どうやら僕は、自分で思っている以上に君が大好きらしい」
力が抜けるように溜息を吐いて、ポスッと俺の胸に顔を埋めるアルベルト。
誰にでも優しいはずのコイツが、俺の事になるとここまで心が乱れてしまうんだなと思うと。なんか凄くキュンとして、口元がにやけてきた。
「……何を笑っているんだい?」
「ククッ……あぁいいや。お前も俺と同じこと思ってたんだなぁって思ってよ」
「へぇ~それは僕を煽ってるいるのかな?」
「あぁ煽ってる。俺は早くお前に抱かれたい。発情してるせいってわけじゃねぇ。お前が……好きだから。だから……」
「だから?」
「俺を、お前の番に……してくれ」
「うん。上出来だ」
俺はゆっくりと服を脱ぎ、アルベルトの頬にキスを落とす。
だがそれでは物足りないと言うように、アルベルトは俺の頭を持って深いキスをした。
互いの舌が、相手を求めるように絡まって舐め合う。
クラクラして、脳まで溶けてしまいそうだ。
「……ルウ」
角度を変えて深いキスを何度も繰り返しながら、アルベルトは物欲しそうにヒクついていた俺の中に指を入れて、グリグリと中を弄りだした。
ジルに触られていた時とは全然違う。
寧ろ指だけじゃ足りない。
早く、アルベルトのが欲しい。
「ぁ、る、べると……も、もうっ」
「分かってるよ」
汗ばんだ服を脱ぎ捨て、ベルトとチャックを外す音が聞こえる。
そして。柔らかくなった俺の入り口に、熱い先っぽが押し当てられ。そのまま受け入れられるように中へ滑り込んできた。
「うっ、ぁっ……」
思わず気持ち良すぎて、アルベルトのを中で締め付けてしまっているのが分かる。
でもそれがまた、中で擦れて気持ち良い。
「動くよ」
「んっ、んんっ!!」
アルベルトの腰が揺れる。そのたびに何度も何度も繋がっている場所から、卑猥な水音が漏れて来て、思わず耳を塞ぎたくなってしまう。
けどそんな余裕も無くて、俺はただ必死に息を吸って吐いて、ギシギシと揺れるベットに爪を立てた。
「んっ!ぁっ!はっ、んっーー」
気持ち良い。
気持ち良すぎて、どうにかなりそう。
「も、もぅ。やっ、ふっ、んんっーー」
でももし、今うなじを噛まれたら。
どれだけ気持ちいのだろうか?
噛まれたい。
番になりたい。
「ぁ、るべ、るとぉ……」
涙で潤んだ視界で、アルベルトを見つめる。
汗を流しながら腰を揺らしていたアルベルトは、髪を掻き上げて俺を熱い視線で見つめた。
「ルウ……僕は君を愛しているよ」
うなじ付近の毛を掻き上げられて、熱い息が肌に当たる。
瞼を閉じて、ゴクリと唾液が喉を通った時。うなじにピリッとした痛みが走った。
「ぅあっーー」
俺の中に熱い液が一気に入ってくる。
痛いけど気持ち良くて、不安なはずなのに満たされていく。
誰かと繋がるというのは、こういう感じなのだろうか?
「ぁるべると……ありがとう」
俺を見つけてくれて、俺と一緒になってくれて、有難う。
「それは、僕の台詞だよ……」
それから俺達は、一体どのくらいヤッていたのか……。
気が付いた頃には朝日はとっくに昇っていて、俺とアルベルトを出迎えていた大勢のメイド達から、熱い祝福の言葉とお赤飯を貰ってしまったのであった。
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