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第3話
「みーお!!!」
愛くるしい姪の声に未桜はデレデレとしていた。雛は姉の桜の娘だ。
「よしよし、雛~いいこだな~チョコ食べるか?」
それを姉の桜が嗜める。
「今ね?虫歯の治療中なの、ちょっと今はあげないでくれる?ごめんね」
「・・・雛?ぬか喜びさせてごめんな?」
「いーの!治ったらいっぱい食べるのー!」
負の連鎖。
残酷な言葉が思わず口に出ていた。
話の腰を折るように桜は
「ねぇお母さんたちいないけど、生活できてる?」
「一応できてるよ」
紅茶を啜りながらもやもやと思う。
「そんなに気になるなら遊びにきてよ。悠翔にプロポーズされたのまだ気にしてるの?小さい頃だろ?」
ぶーーーっ
桜は紅茶を思い切り未桜の顔に噴き出した。
「ちょっと・・・姉さん」
桜は咽ながら、ちょっと待ってと制止のポーズをとる。
「・・・変なコト言うから・・・いや、もう野暮な事は言わないけど。」
「???」
「はぁ、上手くやってね。仲良くするのよ。子供じゃないんだから。」
「未桜さ。遠慮深くて、身を引きやすいから・・・ちゃんと幸せ掴んでほしい」
頭の上に『?』が浮かびながらも
「そんな話してたっけ?」
「弟には幸せになってほしいの!」
「ありがと、姉さんは優しいね。雛も悠翔に会いたいんじゃない?」
「あいたいー!」
ほのぼとしたお茶会を姉の家でしていた。
今日のご飯は何にしよう。
考えるのは悠翔の生活ばかり。
まるでお母さんみたいだ。
「そろそろ帰るよ、買い物も済ましたし、悠翔が倒れてる所だから」
未桜は桜から貰ったお新香をタッパーにいれて持ち帰る。
いつでも作るからね、と優しく声を掛けられ笑顔でお礼を言う。
午後7時。
俺だって悠翔と食卓を共にしたいと思っているから早めに帰るんだよ。
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