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迅倒れる。

凑太の産休から復帰してしばらくたった頃の話だ。 外来の診察しててどうにか最後まで頑張って PHSで友人にかけた。診察して友人が、「虫垂炎だ。連絡悠斗さんでいいだろ?」 「出なかったら、桐嶋さんにかけてそれもダメなら会社の秘書室」 「3つ全部これにかけ」 渡されたメモ帳と貸してくれた彼のボーペンで書いた。 書きながら「桐嶋さんって誰?」 「秘書兼友だち。」 「ふーん」 病室で横になっていたら 「迅!大丈夫か?」と悠斗さん入ってきた。 「仕事は?しばらく子どもたちの事よろしくお願いします。」 「大丈夫。わかったよ。これ書けばいいんだよな?迅が、退院するまで実家帰るわ俺1人で見る自信ないから。」 「お願いします。書いてナースステーションに届けておいてください。お義母さんにはまた迷惑かけてしまいますね。」 「そんなこと思ってないよ。むしろ嫁たちが頼ってくれて嬉しがってるかもうちのかぁさんは。」 「そうだと良いですけどね。」 「乾さん行きますよ」と迎えに来た看護師さんに車いすを押してもらいながら連れられて入口まで悠斗さんが、着いてきてくれた。 扉が閉まった。 意識が戻り 「乾さん大丈夫ですか?痛みどうですか?旦那さんは、手術の成功を確認して帰れましたよ。」と言うのは看護師さん。 「心配お掛けしました。今は、大丈夫です。」 翌日個室に移ってから 「どうだ?」と入ってきたのは外科医の友人の彼で主治医。 「悠斗さんにも話しておいたぞなぁ子どもたち来るだろ?お前オメガだから木村先生も担当に入る話になっている。」 この友人を信用して悠斗さんが、獣人って事を伝えてある。 「うん。保育園終わってからお義母さんが、連れて来てくれると思う」 「そうか。見られたく無いだろ?」 「出来ればね いずらくなる」 「それでだ。木村先生には、面会謝絶って札がかかってる時は、入らないで下さい。患者のプライバシーに関わるので言えませんって言ってやる。師長からナースたちには、お前から俺を呼ぶナースコールあった場合は、札をかけるように言ってもらうようにある。」 木村先生は、アルファ・オメガの為の科の医師だ。 「ありがとう。助かる。」 「お前の子ども会いたいから居る時に時間空いたら来るわ」 ある時師長に「乾先生ちょっといいからしら?」と呼ばれた。 患者に説明する時に使う部屋に2人で入ってロックをかけた師長。 「いきなりで悪いけど本題に入るわね。乾先生の旦那さんってもしかして獣人かしら」 「えっ!?」 「実はね私の旦那もそうなの移り臭いがついてて問われた。それでね問われてね考えてみたらねあなたと一緒にいたしね。私だけよ漏らさないから。機会があれば会いたいわ先生の子ども」 「ありがとうございます。機会があれば」 内科の部長が、様子見にきてくれて「乾くん休職にしておくからちゃんと治して復帰してください。」と言い帰っていった。 翌日の夕方には、病室に帰ってきていた。 お義母さんが、奏汰たちを連れてきてくれた。 「「ママー!」」 よく喋る奏汰と簡単な言葉なら喋るようになった凑太。ナースコール鳴らして 「どうされましたか?乾さん」 「 先生呼んでください。わかりました。伝えておきますね。」 これが暗黙のルールそれで伝わる。 個室の閉めてあるカーテンの前で 「乾先生入るわよ。」と言ったのは、内科の師長の吉田さん。 「調子どう?出入りにはかかっているから大丈夫よこれ食べて」 「ありがとうございます。奏汰自己紹介して」 「いぬい かなたさんさいです。僕の弟のそうたいっさいです。」 「奏汰くん、凑太くんこんにちは 」 少しの間喋って 「ごゆっくりじゃあ私仕事行くわね。」 「はい。しばらくすみません」 1週間入院した。退院時の迎えに悠斗さんが、来てくれる予定だったのですが、都合が悪くなりお義母さんが、来てくれた。 退院しマンションに送り届けてくれた。 「ただいまごめんね。行けなくて」 「お義母さんが、来てくださったので大丈夫ですよ。また桐嶋さんに迷惑かけたら僕イヤだから。」 「わかったよ。」

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