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第43話

弄りながら、七緒はマルの顔を凝視する。 両腕を交差して顔を覆うマルは、甘い声を出すまいと唇を固く結んで、目の端にうっすら涙を溜めていた。 「怖いか?」 全身に力が入っているのを心配して一旦動きを止めると、マルはハッとしたように瞼を持ち上げてすぐにかぶりを振った。 「恥ずかしいだけ。気持ち良すぎて、これからどうなっちゃうんだろうってちょっと怖いけど」 「……そっか。良かった」 それだったら、もっともっと気持ちよくさせてあげたい。 七緒は安堵すると、マルのTシャツを脱がせて、その赤く腫れ上がった乳首を舐め上げた。 「あっ……、ん……っ」 そのまま口に含んで転がしていると、マルの震える甘い声がどんどん大きくなっていく。 マルはますます恐怖を感じた。 たったこれだけでこんなに感じてしまうだなんて、この先自分の体と理性は持つのだろうか。何もかもどうでも良くなって、大好きな人に痴態を晒してしまったりしないだろうか。 そんな風に心配している最中でさえ、七緒の愛撫はどんどん濃くなっていくから考えが追い付かなくなる。 「もっ……そこ、ばっか……舐めっ……な、でっ……」 「ん、やだ?」 「やじゃ……ない、けどっ……んぁっ!」 赤い舌を覗かせた七緒に懇願した途端、軽く甘噛みをされて声を上げる。 電流がビリビリと流れて、体の中心に血が集まって痛痒くなり、我慢できずに腰を揺らして七緒の膝にそこを擦り付けてしまう。ジンジンとした痛みは多少は緩和されるけど、自分でそこを刺激する度にどんどんビリビリが強くなって気持ちよくて、なかなか腰の動きを止める事が出来ない。 「可愛い。腰動いちゃってる」 「ん……だって……」 もう片方の乳首も同じように口に含まれて、たっぷりと濡らされたもう片方の乳首は指先で摘まれる。 自分は七緒に何も出来ないことを歯痒く思うけど、あまりにも甘美な刺激に頭が蕩けて、何かしてあげられる余裕はなかった。 「あっ、あっ……ダメッ、ダメ……」 枕に後頭部をずりずりと擦り付けて、マルはいやいやをする。 その反応すべてが愛しくて可愛くて、七緒はマルのズボンを下着ごと、太もものあたりまで一気にずり下ろした。 七緒はきちんと服を着ているのに、自分はほぼ裸な事に羞恥でおかしくなりそうになる。 しかもさっきから痛くてジンジンすると思っていた自分の性器は、しっかりと天を向いて熱く猛っていた。 こんな状態になったのを見たことがなかったマルは、慌てて手でその場所を隠す。 「あっ……だ、ダメ!見ないで……」 「さっきからダメダメばっかりだな。俺しか見てないんだから、そんなに恥ずかしがってんなよ」 大好きな七緒に見られているから恥ずかしいのに、ちっとも分かってない。 マルは涙目になりながら七緒を睨んだけど、七緒にとっては煽る結果になってしまったようだ。 隠していた手をやんわりと取られ、シーツに押し付けられる。 「――あっ、ん――……」 七緒の大きな掌でそれを包まれたかと思ったら、そのまま上下にゆっくり扱かれた。 緩急をつけながらやられると、腰全体に甘い疼きが広がる。腰が動きそうになってしまうが、また指摘されるのは恥ずかしいと思い、必死で耐えた。そのせいか、七緒の手の動きにとても敏感になってしまう。 くびれの辺りをさすられると気持ち良くて、先端から透明な雫が零れだした。 マルの足がガクガクと震える。

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