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第3話 -8

 早く終わってくれと願いながら口淫を続けるも、時雨は時折小さく声を漏らすだけで中々達しない。  吐きそうになっているのを堪え、悟志はそれから口を離し顔を見上げた。 「まだか」 「お前、フェラ下手過ぎ。生でしゃぶられてこんなにイかないなんて久々だわ」 「……したことないんだから、仕方ないだろ」 「したことないのに嫌な相手のちんこ平気でしゃぶって勃起って逆にすごいよね、俺には無理。もう口開けてるだけでいいよ、座ってろ」  特有の臭いで条件反射に勃ってしまったそれを足でぐりぐりと押され、逃げることもせず扉に背を凭れさせる。そんな悟志の頭を掴み、時雨はその口腔に今しがた舐めしゃぶっていたそれを突き立てた。  乱暴に腰を振り、喉の奥を突かれる。我慢していた吐き気がこみ上げてきたが、それすらも許さないと押し付けるようにピストンを繰り返した。 「そろそろイきそう、九条飲んだことある?」 「ゔ、ぅ゛、ん゛」 「なさそうだな、じゃあ口の中で出すから」  苦しいのに、痛いのに、こんなことは父もしてこなかったのに、何故かその刺激に身体が疼いてしまう。口腔に吐き出されたその精液を、飲み込むことはせずに全て受け止めた。  散々自分の身体を蹂躙されたあとに父からされるキスよりも、時雨の性器から溢れる体液を口に含む方が嫌悪感がない。時雨は嫌いでも、父よりは嫌いじゃない。悟志の前にしゃがみ込んだ時雨は、まだ飲み込もうとしない悟志の唇を指でこじ開け、舌を出させた。 「これ、飲んだらもっと気持ちいいことしてあげる」 「……」  脅迫するような奴相手にそんなことを言われて、本当は嫌なはず。  それでも、この身体の熱がそれを止められない。  咥内に吐き出された白濁のそれを、悟志は暫し躊躇いを見せた後にごくりと飲み込む。それをまた舌を出させ確認した時雨は、下衣の中で窮屈そうにしている悟志の欲望を露わにさせながら、屋上でした時よりももっと優しくくちづけた。

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