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第22話 -4

 どれだけ声を上げても誰にも咎められない。悟志はもう何も考えることができない状態で、獣のように激しく身体を求められ嬌声を上げ続けた。  喉が枯れてしまう。もう市倉に怒られるなんて意識も抜けてしまい、甘やかすように頭を撫で名前を囁かれ、愛されることで満たされていく。  時雨も、光も。自分のことを嫌っていなかった事実が嬉しい。自分のことを好きだと、愛してくれる言葉も行動も全てが嬉しい。  市倉や澤谷が自分を組に戻したくないのは知っている。裏の世界には無知なまま、普通の人として生きていてほしいと思っているのなんて幼い頃から知っていた。  でも、そんなことが不可能に近いなんて自分でもわかっているのだ。だから、自分は誰かと想いを通わせることはしない。  二人がどれだけこうして愛を囁き、自分のことを大事に思ってくれていても自分は戻らなくてはいけないから。表の世界に生きている人間を引きずり込むわけにはいかない。人の死がすぐ近くにあるような世界に連れて来るなんて、絶対に駄目だ。  大切な人にはずっと生きていてほしいからその一線を越えることはない。それが、自分から二人に返せる愛だ。 「さと、ゴムなしでしたい。いい?」  普段であれば絶対に頷いてはいけない言葉にも、悟志は気付けば頷き光を受け入れていた。  女であればきっと何年も前に孕んでしまっていたに違いない汚れきった身体でも、望んでくれるのなら。  かなり凶悪なサイズをしている光の熱は、何度しても慣れない。先端がゆっくりと埋め込まれただけで止まってしまった息は時雨が宥め落ち着かせてくれた。 「悟志、ゆっくり。大丈夫、ただ気持ちいいだけだから」 「ぁ、あ……う」 「俺の呼吸に合わせて。……ねえ、俺も後ででいいから生でしたい。悟志が妊娠するって思い込んじゃうくらい中出しして俺ので腹いっぱいにさせたいな」 「さとは今俺としてるんだけど。さと、気持ちいい? どこがいいとこかな、こっちの方?」 「っ、ぅ、うぅ」 「違う? ならこっちかなー」  優しい動きでも、サイズがあまりにも規格外過ぎて暴力的なそれに変わってしまう。悟志はただ無心で喘ぎ、痛みと快感に思考を奪われ2人に縋った。

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