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お仕事の時間です

チャイムが鳴り、最後のテストが終わった。 「おー、みんなお疲れ。一学期はまだ実技ねえから良いけどテスト終わったからって気ィ抜くんじゃねえぞー」とターク先生が一言言い、教室から出て行く。 ……実技…? 「シキー!お疲れ〜!テスト3日間なんて長すぎだよぉ〜!」 「おー、ノアお疲れ。3日間つっても学校午前中に終わってたろ。」 「え〜、でも疲れたからじゅうでーん。」 そう言って、背後から俺に抱きついてくるノアに苦笑いを浮かべつつ近づいてくるシノとクロ。 「シノとクロもお疲れ」 「おーお疲れ」 「……っス」 クロはどうやらどうして俺に対して敬語になってしまうようなので教室ではほとんど言葉を発さない。 俺は先程先生が言っていた、言葉の真意をシノに聞いた。 「なあ、実技ってなに?」 「あー、実技はなあ戦闘訓練みたいな奴だよ」 「戦闘訓練?」 「あぁ、ホラ学園に裏山あんだろ?そこで、擬似戦闘を毎回やるんだよ。」 「へえ、そんなのやるんだ。」 なにそれ、めっちゃ面白そう、 「まあ二学期からだけどなー。個人戦とチーム戦どっちもあるんだよ」 「僕、個人戦きらぁい。」 「ま、ノアはソロは向かねえもんな」 「そ!僕は戦術専攻だからね!」 そうだよ、頭脳派はノアだけに限らないはず。不利だろう。 「え、そういう奴はどうすんだ?相性とかあるだろ?」 「戦術専攻はトクベツ枠だよ。他の実戦専攻の奴と組んで出られるんだよ」 「実践専攻…?あー、実際に戦う奴らのことか。」 「そ、1年のうちはペアでやるやつ多いけど、2年の後半くらいから強い奴は1人で出始めるけどな」 なるほどな、上手くできてるってわけだ。 「チーム戦は?どういう形でやるんだよ」 「その前に、シキはいくつ専攻科があるか知ってるか?」 「えーと、実際に戦場で闘う実戦専攻、状況を把握して無線で実戦班に指示をする戦術専攻、実戦班の後援を熟す技術専攻…?」 「そう。チーム戦はチームに誰かしらこの3つに在籍してる奴がいなきゃいけないんだよ。チームの人数は最大4人。」 「だから、戦術班は僕1人でいいし、技術班もシノいるしクロとシキは実戦班!この4人で丁度いいよねえ」 「たしかに、そうだな」 チーム戦なんてやったことなかったし、今度隊での訓練で使えるな… 「まあまだ先の話だけど、シキももしペアつけるなら早めに探した方がいいよ。」 「あーそうだなあ、探してみるわ。」 *** さて、テストも終わり長期休みに入る。四季がないこの国にも夏休み擬きがあるんだなあ、そんな悠長な事を考えていたら、勿論というかご察しの通り「帰ってこい」とのこと。え、誰からだって?そりゃあ… 「久しぶりだなァ?シキ」 「………………お久しぶりです」 この暴君トーカである。いや、もうわかってたことだよ。帰ってこいなんて言われなくたって帰ってくるつもりだったからシノやノアから色々誘われたけど泣く泣く断ったし!クロは察しがついていたみたいで、帰り際に「ご愁傷さまです」と言われた。 トーカと会うのは前回のあの事件以来である、と言っても会ってないか。無線で喝入れられただけだけど。 「どうだ?学校は」 「久し振りに会った親戚のおじさんみたいなこと言わないでください」 俺は自警団に帰ってきてから即アオから特攻かけられるわ、一番隊の奴らにもみくちゃにされるわ、二番隊のお兄さん方にはお菓子もらうわ…お前らは俺の親戚か。 それをセイはにやにやしながら見てたけど… お願いだから、助けてくれ 「あいつはどうだった?」 「あいつ?…………あぁ、元気ですよ。お兄ちゃん大好きなんですね」 俺はあいつを思い浮かべ、意地悪く言う。元気すぎて困るくらいだ。 「あいつはな、俺のこと大好きなんだよ」 そう口角を上げたトーカを見て、見ちゃいけないモンを見た気分になる。 「まあ、俺のかわいい弟だ。仲良くしろ」 「ハイハイ。それで、用件はなんですか」 「帰ってきた息子の顔が見たいと思うのは当たり前だろう?」 その言葉を聞いて本当に鳥肌がたった。 「鳥肌たったんで、やめてもらっていいですか」 アンタが親とか絶対嫌すぎる… 想像するだけで体温が下がった気がした。後ろの扉から軽いノックの音が聞こえる。 「失礼します、団長。シキに話し終わりました?」 入ってきたのはセイだった。 「あ?まだだっつーの」 「なにやってんすか、隊長をからかうのはやめてくださいよ」 「セイ、話って?」 「あぁ任務の話だよ」 セイが俺の質問に応える。その瞬間にトーカは本当に楽しそうに、無邪気に笑った。…アンタ本当人生楽しそうだよな 「デカイ獲物が入った」 そう言ったトーカの目を見ると、ギラギラと獣のように光っている。本当にこの目は苦手だ。俺を捉えて食われそうだ。

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