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さて、すぐそこに迫る討伐実行予定日まであと少し。 我が第七師団三番隊と第三師団との合同戦闘訓練は着々と予定通りに(?)進んでいた。第七の1、2番隊からはとてつもなく心配の声が寄せられたが、ここまでは順調である。 ーーただ、 「ああ"ん?こっちの方が、言いに決まってんだろうが??」 「うるせぇよ!!テメェらは今まで合同でやったことがないゆだろうが、先輩に合わせろや!」 「ちょっとアンタ達!!副団長の手を煩わせないでよね!!ほんっと男子ってしょうもないんだから!!」 ーーー仲がすこぶる悪い。 大体はレイスと第三師団のちょっと目つきの悪い奴とか、双子と女の子でバチバチしてたりだとかで訓練中は大人しくなるものの、休憩中はもういつもこんな感じだ。 ………なんというか、中学生の掃除の時間のようだ。 女子が「ちょっと男子ぃ〜!ちゃんと掃除しなさいよ〜〜」みたいな、俺の偏見だろうか。いや、あながち間違っていない気がする。 この状況にストレスを感じて、俺は胃が痛いよ…。 アンさんも同じような心境のようで、二人で慰めあっている。そう、共に苦難を乗り越えると人は自然と仲が良くなるものだ。アンさんとは以前演習場で本気で戦闘し、今ではお互いを励ましあっている。ついでにセツカが余計なことを言ったのか、少し怒らせてしまったが、未だになんて言ったかは不明だ。 「………シキ、お前は大変だな」 「いや、いつもはこんなんじゃない…ハズ」 「それはこちらもだ。……いや、」 「「上が、うるさいんだよなあ…」」 そう、俺の場合はトーカ、アンさんの場合はセツカ、のことについてである。お互い俺様な上司を持ってしまった為に、こういった揉め事は俺たちに任される。 確かに、トーカに任せたらこいつら全員死ぬんだけど、せめてなにかしら労いの言葉があったっていいと思う。 「………テメェら、何やってんだ」 噂をすればなんとやら、トーカとセツカが演習場の入り口に立っていた。言葉を発したのはセツカだが、二人ともおんなじような顔をしておんなじように呆れた表情をしている。 すると、トーカが俺の方を向いて、 「会議室に来い。」 とだけ残して行ってしまう。 すると、セツカも 「あー、アングレーノ、お前も来い。いいな」 それだけ言って後は放置。 …………… 「「はあ……」」 二人の溜息が被ったのは無理もない。 あんな俺様は、一人だけで良いってのに………。 この時アンさんと俺の心は絶対にシンクロしていたと思う。 *** ーーーーカルト宗教集団『xxx(サーティ)』。xxxとは、遭難の恐れがある時に行う通信に用いられたモールス符号のことである。つまり、"SOS"を意味する。 ニュースになるような集団自殺を行なったり、他者に制裁と呼ばれる"殺人"は明らかにされていない。 しかし、不思議な事件が起きている。xxx拠点の周りにおいてここ数年大規模な『事故』がいくつも起こる。これは偶然なのか。 そして、一番大きな『事故』は2年前。 信者共が100人程急に死んだのだ。それは支部と呼ばれる建物での事件。何かに押しつぶされたかのように死んでいった信者達。やはりその死因の多くは圧死だったという。 この凄惨な『事故』の生き残りはたった一人、小さな少年だったという。今は行方不明になっているという。 これが、会議室にてトーカより知らされた敵の情報。 何故今になって討伐実行するか、というとこいつらが近々大規模な『事故』を起こす、というタレコミがあったそうだ。 ーーーぁあ、なんだかものすごく嫌な予感がする。

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