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第三章・宿題は31日に
唐突極まりないが、今の状況を報告しようと思う。
五徹です。もう一度言おうか?五徹です。なんだこれ鬼畜かよ。俺は今椅子に括り付けられ、目の前の山のような書類を捌いている。何故こんなことになってるかって?長期任務のあとは大体こうなるんだよ。
遊んでるように見えて、隊長って仕事多いんだよ…………
「いや、シキがサボってただけだろ?」
いつのまにか部屋に入ってきたセイに心の声をツッコまれて、思わずムッとする。
「サボってたんじゃねえ、寝てただけだ。」
「それを世間はサボリっつうんだよ。」
その御言葉に何も返せず、机に突っ伏し文句を垂れる。
「おーおー、魂でてんぞ、しまえアホ」
「うるせぇー、今魂を出さずしていつ出すんだぁー」
「いや出さなくていいから」
しまえ、と言われ正気に戻り俺は更に文句を言ってやる。
「クラスのみんなは長期休みだってのに、なんで俺は休みがないんだよおおおお」
「隊長だからな」
「学生の本分は遊びだろおおおおおお」
「勉強な」
「俺だってあぁぁそぉぉびぃぃたぁぁいぃぃぃ」
「ハイハイ」
「ヤダヤダヤダヤダヤダヤダやだ」
「………っだー!うるっせぇ!!!」
「だってよぉー、こんな徹夜続けじゃ俺は死ぬ!」
「わぁーったよ!!!!お前がソイツを今日中に終わらせれば、最高の休日をプレゼントしてやらぁ!!」
「えっ、まじ!!!さすが、セイ様!!」
ほんっと、俺に甘い奴。
***
「シキー、元気かー?」
「……っは?え?え?、??」
なんでここにいるんだよ…
「なんで三人がここにいんの…」
そう、職場にいないはずのシノとノアとクロエの三人が………
「えー、セイウンさんに頼まれちゃってさ~」
シノのその言葉に勢いよくセイの方を向く。
「なんでそこ繋がってんだよ!!」
「ホラ、この前のハッカーがコイツってお前言ってたじゃん?」
「え、あ、あぁうん。」
「腕良いし、あわよくば、ね」
「は、はぁぁぁぁぁ???」
いや、たしかに俺もそう思ってたけど!!
シノの方に顔を向けると、セイに腕がいいと言われて照れている。
「シノ!!お前は照れてるんじゃねえよ!!なぁに黙ってんだよ!!!言えよ!!俺に!」
「いやぁ~~セイウンさんが言わない方が面白いって言うから~~」
俺隊長ですけど!?!?俺お前らの友達ですけど!?!?俺だけ仲間はずれかよ!!!!
「そもそも、トーカに許可もらわんとダメだろ…」
「今団長は王都にいるから大丈夫だろ」
「いやいやいや、バレてシめられんの俺なんだけど…
…クロエ!!テメェ、わかってんだろぉぉ~…?」
俺は存在感を無くしたクロエにすべての責任を擦り付ける。
クロエはわざとらしく、俺からサッと視線を逸らした。…てめえ。
「まあまあ、お前の為に来てくれたんだぜ?コイツら」
セイに、そう言われてしまうと強く返せない。…卑怯な奴らめ。
「………ったく、わかったよ。」
俺が許した瞬間、「うぇぇぇい、一足先に職場体験じゃああ!!」と猿のように暴れ始めたシノとノアに俺は、それが目的かよ!!ちくしょう!!とその場に崩れた。
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