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第7話

「クリス……悪いことは言わない。君には向いていないよ。君は根っからの善人だから。さっさと殺したほうが君のためだ」 「ああ、わかっている。俺もこんなやりかたは好まない。でも、必要だからするんだ」 「やめておけ。君は刑事だろう?」 「今の俺は妻子を殺された父親だ。お前がジェニーに何をしたか、ジャックに何をしたか。俺が〝再現〟してやるよ」  ハワードは〝再現〟という単語を強調した。目論見は成功した。わずかにミラーが動揺したからだ。ハワードはナイフを手にミラーに近寄り、彼をうつぶせに組み敷いた。ミラーの膝裏に重く体重をかけると、彼はうめいた。拘束衣の臀部を切り裂くと、ミラーが制止の声をあげた。 「馬鹿な真似はやめろ!」 「心配するな。男は初めてだが、今の俺は復讐のためなら何だってやれる」 「よせ、ハワード! 私の上から退くんだ。それ以上触れたらお前を殺してやる!」 「女子供しか殺せないくせに何を言っているんだ?」  ハワードはむき出しになったミラーの尻たぶに唾を吐きかけ、彼のアナルを拡張していく。ミラーが叫ぶたびにハワードは彼の尻を叩いた。 「……頼む」 「ジャックもそうやって泣いて許しを乞うただろう? なのにお前は彼を犯した。ずたずたに引き裂かれるまで。あんまりだとは思わないか、J・ミラー。あの子はまだ九つだった」 「お願いだ、クリス。それだけは――」 「気安く俺の名を呼ぶな!」  ハワードはミラーのアナルに中指をねじこんだ。ミラーは息を詰まらせ、ハワードの指を抜こうと前へ前へと逃げた。ハワードはミラーの態度を好意的に捉えた。指の本数を増やしながら、もう片方の手で自らのペニスを扱いていく。  ミラーへの復讐心が興奮剤になり、ハワードのものはみるみるうちに罪人を犯す凶器になった。準備が整ったハワードは確実にミラーを仕留めるであろう一言を発した。 「〝マイキー〟」  ミラーの肛門がギュッと絞まった。ハワードは指を引き抜き、代わりに凶悪なペニスをミラーにねじこんだ。彼の中は女のように滑らかではないが、悪くもなかった。ミラーを引き上げて腰を打ちつけると突然彼の態度が豹変した。 「ごめんなさいパパ!」 「ミラー?」 「ごめんなさいパパ! ごめんなさいパパ! ぼくはいい子になるから! ごめんなさいパパぼくが悪いのぼくが悪いの。だからママをぶたないで、おねがいおねがいだから――いたい、いたいよ。ごめんなさいごめんなさいごめんなさいゆるしてもうぼくをぶたないで」  ハワードははじめ彼の身体に悪魔が憑りついたのだと思った。もしくはJ・ミラーお得意の狂言だと思った。だがそれは違う、彼は本当に狂ってしまったのだとハワードは思った。ミラーの全身からは脂汗が流れ、ありえないほど恐怖で震えていた。  ミラーの姿に気力をそがれたハワードはペニスを抜き彼を解放した。ミラーは鎖が許す範囲まで這って逃げ、それから彼の父への謝罪と母を許すように懇願を続けた。ハワードはミラーの好きにさせた。今のミラーは子供――ジャックと同じか、それ以下――に戻ってしまっている。  自分でもあっけないと思った。ハワードはJ・ミラーを拷問する方法も、マイキーをあやす方法もわからなくなってしまった。ハワードは哀れみを含んだまなざしで地面に這いつくばり泣き叫ぶ男を見ていた。

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